2008 Fiscal Year Annual Research Report
ローカライズド制御理論の宇宙システムへの適用に関する研究
Project/Area Number |
19560795
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
森田 泰弘 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部宇宙輸送工学研究系, 教授 (80230134)
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Keywords | 航空宇宙流体 / 構造 / 航法 / 制御 / 推進 |
Research Abstract |
ローカライズド制御とは、常微分方程式を用いながらも対象の有限要素的振動特性を考慮できる理論であり、画期的な制御系設計理論であるとともに、構造と制御の融合として新たな研究領域を拓くものでもある。本研究では、ローカライズド制御という新しい制御の概念を確立し、これを宇宙システムに適用するための方法論を構築することを目的とする。 本研究では、まず始めにローカライズド制御の基本原理に基づき、これを宇宙システムの振動制御に適用するための基礎を築くべく考察を行った。具体的には、完全状態フィードバックとして構成するローカライズド制御理論の定式化を確立するとともに、論理的に拡張して、これを状態推定器により実現するための基礎を固めた。また、基本原理に基づき設計される制御器は一般に高次の特性をもち、そのままでは実際の宇宙システムへ適用することは難しい。このことから、ローカライズド制御の本質を損なうことなく制御器の次数を低減するためのアルゴリズムについて検討を行った。さらに、ここで提案するローカライズド制御は、有限要素に対するエレメンタル・レギュレータの集合としてのローカル・レギュレータと有限要素の境界で作用する力とモーメントの抑制器としてのインターフェース・コントローラの線形結合として実現されるものであるが、線形結合のための重み行列の設定方法を導いた。これら理論的研究の有効性の評価や妥当性の検証のために、数学モデルを用いた数値シミュレーションコードの整備を行った。 以上、本研究では、ローカライズド制御という独創的な制御の概念を理論及び制御系設計のための方法論として確立し、従来の試行錯誤的、マクロな評価関数的制御系設計手法の枠を超え、複雑な宇宙システムに対して比較的容易に制御系の設計を進めることを可能とした。
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