2007 Fiscal Year Annual Research Report
実就航船の静水荷重の統計的調査と船体はりの最終強度評価
Project/Area Number |
19560802
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
津金 正典 Tokai University, 海洋学部, 教授 (30384902)
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Keywords | 船舶性能 / 構造強度 / 艤装 / 計画 / 設計 |
Research Abstract |
コンテナ船7隻、タンカー2隻、バルカー3隻、LNG1隻(合計13隻)の数年にわたる出港時の船体強度計算データ・トリム・スタビリティー計算データを収集し、実船の積み付け状態における静水曲げモーメント、喫水、横GMの長期分布の統計的諸性質を明らかにした。コンテナ船については以下の知見が得られた。 1)船舶の積付状態は複雑に変化するが,主要港出港時の積付状態を集計した静水縦曲げモーメント、喫水、横GMの分布形で近似できる。コンテナ船の場否には正規分布で近似でき、その変動係薮は約18%程度となる。 2)1970年代に実施された類似調査結果と比較するとWL、ρgL^3Bで無次元化された統計量の平均値はほぼ同程度であるが、変動係数は約30%が約18%となっている。当時にくらべ船型は大型化しているのに対し変動係数の減少は、船舶のLoading computerにより常時積荷管理が行われるようになったことが理由として考えられる。 3)1980年代の類似研究と比較すると、国際船級協会の波浪荷重の基準値で無次元化した静水縦曲げモーメントの値は本研究の平均値が大きい値を示し大型化の効果が現れているが、変動幅は当時より小さくなっており、2)と同様にLoading computerの普及効果が現れていると考えられる。 4)横GM値は船型の幅広化により従来船型に比べ大きくなるところであるが、実際のデータはそのようなことはなかった。横揺れの同調周期を避けるために若干GM値を低くするように積荷を設定しているものと考えられる。 外国のフェリーボート(ドーバー海峡フェリー、日中フェリー)、国内沿岸RO/RO船(2社)の船体強度計算の実態を調査した。その結果、いずれも出港時に船体強度計算が実施されていないことがわかった。
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