2008 Fiscal Year Annual Research Report
実就航船の静水荷重の統計的調査と船体はりの最終強度評価
Project/Area Number |
19560802
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
津金 正典 Tokai University, 海洋学部, 教授 (30384902)
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Keywords | 船舶性能 / 構造強度 / 艤装 / 計画 / 設計 |
Research Abstract |
コンテナ船、タンカー、バルカー、LNG船の実船の積み付け状態における静水曲げモーメント、喫水、横G_0Mの長期分布の統計的諸性質を明らかにし、既往の研究成果との比較を行った。その結果、最近の船型の積み付け状態における静水曲げモーメント、喫水、横G_0Mの特徴を把握することができた。 1)コンテナ船:1980年代のGuades Soares、Moanらの統計量と比較すると,国際船級協会の波浪荷重の基準値で無次元化した静水縦曲げモーメントの値は,本研究の平均値が大きい値を示し,大型化の効果が現れている。しかし、変動幅は,逆にGuades Soaresらの調査よりも小さくなっている。これは、Loading Computerの普及効果であると考えられる。 2)タンカー:Full loadの静水曲げモーメントの変動係数は1970年代の真能らの調査と同程度の28%であるが、Ballast時の変動係数は20%とかなり狭い変動幅である。 3)バルカー:HogからSagモーメントの広い範囲にバラツキがあり、結果的に静水縦曲げモーメントの統計値の平均値はゼロ付近となる。1980年代Soaresらの統計値も平均値の絶対値が小さく、そのため変動係数がかなり大きい値となっている。本調査とSoaresらの調査とでは、Soaresらの結果では若干標準偏差が大きいと言える。 4)LNG船:積載貨物の性状、積み付け方法の変化が少なく,満載状態、バラスト状態の静水縦曲げモーメントの変動範囲は狭い。特に,満載状態では変動係数が9%程度であり、バラツキは少ない。バラスト状態も今回の調査したVLCCのバラスト状態の変動範囲と同程度である。 5)Panamax船型、Over Panamax船型共に喫水の増加に伴いG_0M/d値が減少する。 6)Panamax船型はOver Panamax船型に比べG_0M値は小さいが、最大喫水付近のG_0M/d値を比較すると両船型ともほぼ同じで約0.1である。
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Research Products
(4 results)