2008 Fiscal Year Annual Research Report
地中物体の広域な3次元イメージングのための同軸給電アレー型ボアホールレーダの開発
Project/Area Number |
19560814
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
海老原 聡 Osaka Electro-Communication University, 工学部, 准教授 (20301046)
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Keywords | ボアホールレーダ / 指向性 / アレーアンテナ / イメージング |
Research Abstract |
昨年度までに開発したダイポールアレーアンテナを受信アンテナとする同軸型レーダを用いて、き裂の3次元計測が可能であることをフィールド実験によって実証することを目標とした。以下に本年度の成果を列挙する。1. 干渉度の提案とアンテナ設計への応用 ダイポールアレーアンテナでは、アンテナ素子周辺に給電線用の導体円柱が存在している。この導体円柱とアンテナ素子間の干渉を数値化することに成功した。導体円柱からの散乱波成分とアンテナ素子へ直接到来する波の成分の比を干渉度と定義し、干渉の度合いを表すパラメータとして提案した。本設計法に関しては、特許申請をした。2. クロスホール計測とアンテナ設計法の確認 干渉度による解析では、周波数138MHz以上の帯域で電磁波の到来方向推定が可能と予想される。このことを実証するため、花崗岩中でクロスホール計測を行い、到来方向が既知の直接波をダイポールアレーアンテナで測定した。その結果、周波数帯域が50MHz〜250MHzの場合では到来方向推定ができないが、170MHz〜250MHzでは推定が可能であることを確認した。これは、使用周波数を138MHz以上にすることで干渉が低下し、推定が可能になったものである。干渉度による理論的な予想通りの結果であった。これにより、干渉度の有効性を実証できた。3. シングルホール計測と地中物体からの反射波の抽出 1本の坑井に送信アンテナと受信用ダイポールアレーアンテナを挿入したシングルホール計測システムを試作し、花崗岩中でき裂や境界面の測定を行った。その結果、測定深度間で相関の高い物体からの反射波を検出し、到来方向を推定することができた。
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