2007 Fiscal Year Annual Research Report
色素体と核を結ぶ情報伝達に関わるテトラピロール中間体とその受容体の解明
Project/Area Number |
19570038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
望月 伸悦 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (60280939)
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Keywords | 植物 / シグナル伝達 / 葉緑体 / オルガネラ / テトラピロール |
Research Abstract |
本年度は、プラスチドから核への情報分子の有力候補であるMgProtoを認識する機構の解明を目指して研究を進めた。具体的には、以下の4点について研究を進めた。(1)MgProto受容体として有力な候補であるMg-chelatase Hサブユニット(CHLH)遺伝子に変異を生じたgun5変異体アリルにおけるCHLHタンパク質の蓄積量を調べるため、CHLHに対する抗体を作製した。現在、この抗体の性能評価を行い良好な結果を得ており、来年度はこれを用いてCHLH量の評価を行う。(2)CHLHタンパク質の細胞内局在性については、GFP融合型CHLH (CHLH-GFP)を植物体内で発現させ、GFP蛍光がプラスチドで検出されることを確認した。しかし、CHLH-GFPを導入した植物はアルビノになるため、以後の解析には使用できないことが分かった。そこで、発現誘導型プロモーターに連結したCHLH-GFPコンストラクトを作製し、植物への導入を計画している。来年度は、この誘導系CHLH-GFPを用い、さまざまな条件下でCHLHの局在がどのように変化するか検討する。(3)GUN5/CHLHを細胞内で異所的に発現させる実験については、色素体移行シグナルを欠失したGUN5/CHLHタンパク質を発現する形質転換体を作製中である。来年度は、この形質転換体について、プラスチドシグナル伝達を検討する。(4)GUN5/CHLHがアブシジン酸(ABA)受容体であると報告されているため、ABA結合領域のみを発現させた場合のABA応答およびプラスチドシグナル伝達への影響を調べるためのコンストラクトを作製した。
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