2008 Fiscal Year Annual Research Report
酵母26Sプロテアソームの低分解能結晶構造解析と分子様態に関する研究
Project/Area Number |
19570103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森本 幸生 Kyoto University, 原子炉実験所, 教授 (80200450)
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Keywords | プロテアソーム / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
プロテアソーム・ユビキチンシステムは、生体内の貴重なエネルギーを使ってタンパク質を分解し細胞の代謝回転を安定に保ち抗原ペプチドを切り出して免疫反応に備える機能を持つ。一連の分解機構は、自己・非自己を識別し、分解されるタンパク質にフラグをつけ、それを各々が正確に認識して行われる。本研究課題では(1)両端19S調節因子を結合させた26Sプロテアソームの精製と結晶化および低分解能結晶構造解析を目指すとともに、(2)溶液状態での両端因子の会合、またそれらが解離し20S粒子本体に結合する過程を追跡すること、を目的とした。本研究では酵母由来の20Sプロテアソームおよび調節因子を共発現させた26Sプロテアソームを用いた。両粒子の一部サブユニットを融合させた発現系3種の酵母株(YYS272、274、676株)の安定な大量培養条件を確立した。これら試料には3FLAGタグがついているためフラグアフィティーカラムによる精製を行い、676株からの試料でPEGを沈殿剤として微結晶を得ることに成功した。これを用いSPring-8にて回折実験を行ったところ非常に低分解能(35A)ながら回折斑点を得ることができた。これとともに26S粒子全体が機能するときに必須である19Sサブユニットの一部(Rpn13)と結合する脱ユビキンチン化酵素(UCH37)の結晶構造解析を進めた。現在上記ビームラインで2.6A分解能のデータ収集を行って、Se-Met型結晶より初期位相を決定し本酵素分子を構築した。結晶構造解析のみならず分子会合過程にも焦点をあて、両端に結合するPA28の会合状態、20S本体を形成しているαサブユニットリングの形成過程、などの形態解析を行った。
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