2008 Fiscal Year Annual Research Report
SUMOリガーゼPIAS/Sizファミリーのドメイン構造と分子認識機構の解明
Project/Area Number |
19570115
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
山崎 俊正 National Institute of Agrobiological Sciences, タンパク質機能研究ユニット, ユニット長 (40360458)
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Keywords | 生物物理 / 蛋白質 / 分子認識 / 構造生物学 / SUMO化翻訳後修飾 / SUMOリガーゼ |
Research Abstract |
本研究は、動・植物および酵母のRING型SUMOリガーゼE3であるPIAS/Sizファミリーの作用機構を構造生物学的見地から解明することを目指し、本年度は以下の研究を行った。 1.酵母およびイネSiz1のN末端SAPドメインの立体構造解析とDNA認識機構の解析 前年度に得られた結果をもとに、SAPドメインの構造とDNA認識機構における生物種特異性と普遍性を明らかにして論文を作成し、PROTEINSに受理された。 2.イネSiz1のPHDフィンガーの立体構造決定とメチル化ヒストン結合の解析 PIAS/Sizファミリーのうち植物のSizに固有のPHDフィンガーの機能を明らかにする目的で、前年度に引き続いて溶液NMR法による構造機能解析を行った。本年度は、4位のリシンがトリメチル化されたヒストンH3(H3K4me3)とPHD複合体の立体構造モデルを構築するとともに、複合体形成における2位アルギニンのメチル化の影響を検討し、PHDは4位と2位がともにメチル化されたH3R2me2aK4me3に対してより高い結合能を示すことを見出した。これは、既報のPHDではH3K4me3の2位アルギニンがメチル化されると結合能が失われるとの結果とは逆の結果である。そこで、H3R2me2aを用いて同様の相互作用解析を行ったところ、イネSiz1のPHDはH3R2me2aに結合すること、さらには、その結合能はH3K4me3への結合よりも高いことが明らかになった。アルギニンがメチル化されたヒストンを認識する構造モチーフはこれまでに報告例がなく、今回のイネSiz1のPHDが初めてである。
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