2009 Fiscal Year Annual Research Report
SUMOリガーゼPIAS/Sizファミリーのドメイン構造と分子認識機構の解明
Project/Area Number |
19570115
|
Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
山崎 俊正 National Institute of Agrobiological Sciences, タンパク質機能研究ユニット, ユニット長 (40360458)
|
Keywords | 生物物理 / 蛋白質 / 分子認識 / 構造生理学 / SUMO化翻訳後修飾 / SUMOリガーゼ |
Research Abstract |
本研究は、動・植物および酵母のRING型SUMOリガーゼE3であるPIAS/Sizファミリーの作用機構を構造生物学的見地から解明することを目指し、本年度は以下の研究を行った。 1.植物のRING型SUMOリガーゼSiz1のPHDフィンガーのメチル化ヒストン認識機構の解明 前年度には、PIAS/Sizファミリーのうち植物のSizに固有のPHDフィンガーがヒストンH3の4位のリシンがトリメチル化されたH3K4me3のみならず、2位のアルギニンがジメチル化されたH3R2me2aにも結合することを見出した。本年度は、PHDのE3R2me2a認識残基を特定してPHD-H3R2me2a複合体のモデル構造を構築した。さらに、2種の点変異PHD(Q110AとE112A)のH3R2me2a結合能が天然型PHDの50%程度に低下することを明らかにし、H3R2me2a結合におけるQ110とE112の機能的重要性を検証した。本年度までの成果を総合的に勘案すると、植物のSiz1はSAPドメインのDNA結合とPHDのR2またはK4がメチル化されたH3への結合を介してクロマチンを認識し、その構造と機能を調節している可能性が示唆される。 2.植物のRING型SUMOリガーゼSiz1のPHDフィンガーとSUMO結合酵素E2の相互作用解析 ごく最近、シロイヌナズナのSUMO結合酵素E2がSiz1を介してSUMO化されることが報告され、この反応においてはSiz1の典型的なE2認識ドメインと想定されるSP-RINGとPHDがそれぞれE2を1分子ずつリクルートしてE2がSUMO化されるモデルが提唱された。そこで、このモデルを構造生物学的見地から検証するために、溶液NMR法によるPHDとE2の分子間相互作用解析を行ったが有意な相互作用は検出されなかった。Siz1を介したE2のSUMO化反応経路については再考が必要である。
|
Research Products
(1 results)