2007 Fiscal Year Annual Research Report
古代魚孵化酵素遺伝子の分子進化とその発生進化学的研究
Project/Area Number |
19570221
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
安増 茂樹 Sophia University, 理工学部, 教授 (00222357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井内 一郎 上智大学, 理工学部, 教授 (10011694)
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Keywords | 遺伝子進化 / 古代魚 / 孵化酵素 / 硬骨魚類 / 卵膜分解機構 / 分子進化 |
Research Abstract |
魚類と両生類間で艀化腺細胞の由来細胞は大きく異なる。艀化腺細胞の由来という点で、一見、魚類から両棲類への進化学上の連続性は失われているようにみえる。硬骨魚類から両生類への進化過程の問に位置する古代魚の艀化腺細胞を同定しその動態を発生過程で観察することで、転換はどのタイミングで起きたか?また、その変化は連続性があるか?など発生進化学的研究を行う。チョウザメ神経胚の電子顕微鏡の観察により、両生類の艀化腺細胞の分化部位である頭部外胚様には、艀化腺細胞様形態を持つ細胞が存在せず、一方、体軸先端部に酵素穎粒を多量に持つ艀化腺細胞様の細胞集団が存在することを見出した。しかし、その細胞群は、粘液細胞様の形態を示している。一方、ゼノパスには、発生過程で同様の位置にセメント腺と呼ばれる粘液腺が分化する。この結果より、魚類の艀化腺細胞は、両生類にいたる進化過程で粘液腺へと転換して、新たに頭部外胚様に艀化腺細胞が現れたことが予想される。これらの仮説を検討するため、精製艀化酵素より抗体を作成し、観察された酵素穎粒の抗体との反応性を検討し、艀化腺細胞であるか否かを同定することと、ゼノパスの研究で得られているセメント腺の相同遺伝子をチョウザメよりクローン化し、その発現を調べることが必要となる。もし、艀化腺細胞でセメント腺のマーカー遺伝の発現がみられると、魚類艀化腺細胞が両生類でセメント腺に変化したと言う仮説が裏づけられる。現在、チョウザメ艀化酵素を艀化液より精製中である。
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Research Products
(4 results)