2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19570231
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Research Institution | Kagoshima Women's Junior College |
Principal Investigator |
竹中 正巳 Kagoshima Women's Junior College, 生活科学科, 准教授 (70264439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 直美 琉球大学, 医学部, 准教授 (30128053)
中橋 孝博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (20108723)
篠田 謙一 国立科学博物館, 人類研究部, 教授 (30131923)
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30280712)
高宮 広土 札幌大学, 文化学部, 教授 (40258752)
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Keywords | 種子島 / 古人骨 / 形質 / 広田遺跡 / 人類学 / 南西諸島 / DNA / 食生活 |
Research Abstract |
弥生から古墳時代にかけて、種子島に居住した人々の特徴は、短頭・低顔・低身長で、身体各部位のサイズが小さい。南西諸島の中では、顔の高い人骨も出土している沖縄本島と比べると、種子島の同時代人の形質の均質性は目を引く。極端な短頭・低顔・低身長特徴を持つ種子島の弥生から古墳時代の人々がどのように形成され、古墳時代以降どのように変化していったのか興味が持たれる。 今年度は、2005年と2006年に種子島広田遺跡から出土した弥生〜古墳時代相当期の人骨12体について研究および報告を行った。新たに発見された12体も、1950年代に出土した人骨の特徴と類似点が多く、同じ系譜上に位置する人々と考えられる。2005年と2006年の発掘調査により、広田遺跡の墓域は新たに広田川側に広がった。北区からは1体ではあるが、保存良好な人骨(北区1号墓人骨)が出土し、南北の墓域から出土した人骨の形質の比較が可能になった。北区と南区から出土した人骨に形質差は認められない。南西諸島の先史時代には抜歯風習が存在した。抜歯の型式は日本本土と異なり、種子島で上顎の側切歯や犬歯を片側だけ抜く型式が流行し、奄美から沖縄本島にかけての地域では、下顎の前歯を抜歯する型式が多い。南区2号墓から出土した人骨も上顎左側切歯のみを抜歯しており、弥生時代から古墳時代にかけて種子島で普遍的にみられる抜歯型式である。この広田をはじめとする種子島の抜歯型式は、同時代の近隣地域には認められず、独自性が非常に強い。 篠田は、広田人骨2体からミトコンドリアDNAを抽出し、これら2体は母系でつながる血縁関係は持たないこと、ハプログループはD4に属すると考えられ、現代日本人にもそれほど珍しくない頻度で出現するタイプであることを明らかにした。 米田は広田人骨からコラーゲンを抽出し、炭素・窒素安定同位体比から食生活を検討し、広田人は海産物を含む3種類以上のタンパク質資源を利用していたことを明らかにした。
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Research Products
(4 results)