2008 Fiscal Year Annual Research Report
ユリ科花き園芸作物のゲノム同定とゲノム倍加技術の開発
Project/Area Number |
19580024
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岡崎 桂一 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (20270936)
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Keywords | チューリップ / 染色体 / 笑気ガス / GISH / FISH |
Research Abstract |
本課題では、花粉等の染色体を倍加する新しい方法として笑気ガス処理方法を提案し、本方法をユリ科作物の育種へ応用するため様々技術開発を行っている。 20年度では、笑気ガス処理の作用機構を解明するため、笑気ガス処理した減数分裂中の花粉母細胞を組織化学的に観察した。笑気ガス処理によって、チューブリンの重合が阻害され、その結果、花粉の染色体が倍加されることが明らかになった。 また、19年度に笑気ガス処理によって花粉の稔性回復に成功した不稔性種間雑種ユリの‘イエローウィン'の稔性回復法の再現性を確かめた。さらに、花粉不稔性の‘乙女の姿'ユリの稔性回復に初めて成功し、得られた花粉を用い後代が得られることも実証した。種間雑種の稔性回復技術は,これまで交配母本に用いることができなかった不稔性の種間交雑ユリを母本にした未知の雑種が得えられる可能性を示しており,本研究結果は,まったく新しいユリ育種の展開の方向性を示す画期的なものであると言える。 ユリの雑種性の簡易検定法としてrDNAのITS領域のPCR-RFLP法を検討した。その結果、シンテッポウユリとオリエンタルHy.の雑種判定がrDNAのITS領域の解析で可能であった。 交配後1〜13日まで継時的にユリ植物体(受精卵)を笑気ガス処理し、多数の4倍性実生を得ることができた。この結果は,従来非効率であったコルヒチン処理に変わる画期的な技術である。 チューリップの種間雑種を両親へ戻し交雑した後代における両親ゲノム聞の染色体断片の組み換えをFISHとGISH法で明らかにした。
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