2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温ストレスによるシンビジウム花芽の枯死を制御する分子機構
Project/Area Number |
19580029
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
三田 悟 Shizuoka University, 遺伝子実験施設, 准教授 (20273170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 始 静岡大学, 農学部, 教授 (20126840)
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Keywords | 高温ストレス / NACタンパク質 / 生育障害 / エチレン / マイクロアレイ / トランスクリプトーム / 形質転換植物 |
Research Abstract |
夏においてシンビジウム花芽は高温により枯死するため、シンビジウムの生産者は標高1000メートル程度の涼しい場所へ植物を移すことにより枯死を避ける。これを山上げ栽培といい、生産者にとっては重労働である。シンビジウム花芽が枯死する時にCyNAC1遺伝子の発現レベルが顕著に高まり、この遺伝子を過剰発現させたシロイヌナズナの葉は枯死することから、CyNAC1遺伝子は高温ストレスによるシンビジウム花芽の枯死を促進する遺伝子だと考えられる。平成21年度は、シロイヌナズナ野生型株の葉と、CyNAC1を過剰発現させたシロイヌナズナの枯死しつつある葉のそれぞれから抽出した全RNAを用いてマイクロアレイ解析を行った。その結果、枯死しつつあるシロイヌナズナの葉で発現レベルが上昇するものとして、endopeptidase(8.8倍)、ALPHA-DOX1(8.9倍)、ORG2(7.5倍)、Transcription factor(6.1倍)、CYP71A18(8.7倍)、peroxidas(8.8倍)、hydrolase(5.6倍)、ATTI1(5.5倍)、SYN1.1(4倍)、ATOSM34(5.4倍)、CYP82C4(4.3倍)、GLP9(4.4倍)、NIT2(4.9倍)、AGL26(4.3倍)、transferase(4.8倍)、DIN2(4.3倍)、electron carrier(4.2倍)等を同定することが出来た。一方、発現レベルが落ちるものとしてはPCC1(0.15倍)、FSD1(0.17倍)、LHCB1(0.18倍)、lipid binding protein(0.18倍)、MEMA1(0.18倍)、transcription factor(0.22倍)、calciumion binding protein(0.18倍)、PSI-N(0.19倍)等を同定した。さらに、CyNAC1がエチレンの作用がなくても高温だけによっても発現が誘導されることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)