2008 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質間相互作用と機能ネットワークの観点からの転写制御機構群の研究
Project/Area Number |
19580081
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
朝井 計 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70283934)
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Keywords | 枯草菌 / 膜局在プロテアーゼ / 抗σ蛋白質 |
Research Abstract |
1.抗σ蛋白質の制御因子の探索 トランスポゾン変異法を用いて、グラム陽性土壌細菌枯草菌の7つの抗σ蛋白質の制御因子のスクリーニングを試みた。その際、σ因子の活性はσ因子が転写に関与するプロモーター断片とβガラクトシダーゼ遺伝子の融合遺伝子を用い間接的に、寒天培地で形成するコロニーのままで測定した。σMについて重点的に解析を行い、その制御因子候補株のいくつかのトランスポゾンの挿入部位についてPCRとDNAシーケンスにより決定した。現在候補遺伝子について、破壊株を単離しており、機能解析中である。 また、抗σ蛋白質は膜蛋白質であるので、細胞表層の構造変化が立体構造の変化を引き起こす可能性も考えられる。細胞膜リン脂質の組成を変化させることができる、細胞膜構成成分のリン脂質合成遺伝子の変異株や種々の細胞壁合成欠損株を用いて、これらの可能性を検証中である。 2.σ因子-抗σ蛋白質の相互作用の分子機構の解明 枯草菌の7種のσ因子-抗σ蛋白質の相互作用の特異性を分子レベルで解析した。 酵母ツーハイブリッド法を用いて、σ因子-抗σ蛋白質問の相互作用をモニタした。SigWとSigMについて枯草菌と類縁の3種のバクテリアに保存されている相同遺伝子候補とともに、網羅的な解析を行った、その結果、σWについては相互作用に互換性が見られたが、σMについては個々の生物種内では相互作用は見られたものの、生物種間では互換性はみられなかった。このことは進化的にこれらのσ因子ファミリーには、種分化後にも保存されているものや多様化したものの両方が存在していることを表している。現在PCRランダム変異導入法やサイトディレクテッド変異法を用いて、σ因子・抗σ膜蛋白質それぞれのアミノ酸配列の一部を改変した、変異ペプチドライブラリーを作製し、酵母ツーハイブリッド法で、アミノ酸変化が相互作用に与える影響をモニタしている。
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