2008 Fiscal Year Annual Research Report
イネ胚乳に見いだされた新規プロテインジスルフィドイソメラーゼの生理機能の解明
Project/Area Number |
19580110
|
Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
小川 雅広 Yamaguchi Prefectural University, 共通教育機構, 教授 (10160772)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊丸 敏博 九州大学, 農学研究科, 准教授 (00284555)
|
Keywords | イネ / PDI / 胚乳 / 突然変異 / 分子シャペロン / RNAi組換体 / MNU / プロテインボデイ |
Research Abstract |
イネ胚乳に存在する40kDaPDI(PDI2-3)の生理機能を明らかにするためにPDI2-3に関する突然変異体の選抜実施したが、昨年同様PDI2-3が完全欠失した系統選抜には至らなかった。また、MNU処理突然変異体1000系統の栄養成長期の葉からDNAを調製後、これらのDNA標品を改良Tilling法に供し、PDI2-2遺伝子の一塩基置換異系統の選抜を実施したが、変異系統の獲得にまでは至らなかった。今後、改良Tilling法を用いた選抜を集中的実施することにした。 PDI2-3のイネ胚乳における生理機能を解明するためにPDI2-3活性を抑えた組換体(RNAi組換体)を作出し、60kDaPDI(PDI1-1)の発現レベルは野生型と変わらないが、PDI2-3の発現レベルが極端に減少した系統の胚乳に存在するPB形態の変化を観察した。その結果、プロラミンを集積する小胞体型プロテインボデイ(ER-PB)の形態変化が見られた。この事はプロラミン分子のS-S結合形成には、PDI2-3が関わっている事が示唆された。この事からPDI2-3がPBIに局在している可能性が高まったので野生型登熟種子からショ糖密度勾配超遠心分離法によってPBを分画し、PDIとプロラミン分子の局在状態について調べた。その結果、PBI画分に明らかにPDI2-3が局在している事が分かつた。一方、PDI1-1はPBIよりむしろER画分に多く局在していた。さらに急速凍結固定した試料を用いてPDI2-3がPBIに局在する事を明らかにしようと免疫電子顕微鏡観察を行なった。しかし、PDI2-3がPBIに局在を示すにはいたらなかった。
|