2007 Fiscal Year Annual Research Report
食品のインスリン抵抗性改善作用による抗糖尿病効果とその作用メカニズムの解析
Project/Area Number |
19580131
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
伊藤 芳明 Iwate University, 農学部, 准教授 (50312517)
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Keywords | 糖尿病 / 糖新生 / ワサビ / オレアノール酸 / 脂肪蓄積 / 脂肪細胞 / イソチオシアネート |
Research Abstract |
本研究は地域食材であるワサビの含有成分[6-methylsulfinylhexyl isothiocyanate(6MITC)]並びにヤマブドウの未利用資源の抗肥満、抗糖尿病の食品機能性の解明を目的としている。本年度は主に次の2つの課題に取り組んだ。まず、これまでに発見している6MITCのインスリン様作用の機序を明らかにするために、H4IIE細胞を用いて検討したところ、6MITCの効果は糖新生律速酵素であるPEPCKやG6Paseの発現上昇への関与が知られているp38MAPKの阻害によるものではないことを明らかにした。さらに6MITCの構造類縁体を用いた検討から、炭素鎖長が長くなるにつれ、糖新生抑制効果が大きくなること、またスルフィドでは効果が見られず、スルホキシド、スルホンで同程度の効果を示すことを明らかにした。また健常ラットを用いた検討から、6MITC 50mg/kgBWまでの腹腔内投与ではASTやALTを指標とした急性毒性は認めず、さらに糖尿病モデル動物での有効性について予備的な知見を得た。次にヤマブドウは果汁やワインへと利用されているが、その搾り粕は産業廃棄物となる。そこで果皮に含まれる成分に注目し、主なワックス成分であるオレアノール酸(OA)の機能性として、抗肥満に焦点をあて、脂肪細胞の分化・成熟機能に対する効果を検討した。その結果、OAは3T3-L1脂肪細胞の分化を抑制し、脂肪蓄積を抑制した。しかしながら分化のコミットメントを超え、成熟期にある細胞に対しては脂肪蓄積抑制効果が低いことから、先の効果は前駆脂肪細胞が分化のコミットメントをする際に重要な増殖を抑制することによると推察された。従ってOAには脂肪細胞の増加を抑制することで抗肥満的な効果を期待できる可能性があると考えられた。
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Research Products
(2 results)