2008 Fiscal Year Annual Research Report
トラフグ属魚類のAFLP及びmtDNA解析による雑種判別手法の開発
Project/Area Number |
19580229
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Research Institution | National Fisheries University |
Principal Investigator |
酒井 治己 National Fisheries University, 水産学研究科, 教授 (80399659)
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Keywords | フグ目 / トラフグ属 / ミトコンドリアDNA / 種判別マーカー / 雑種 / AFLP解析 |
Research Abstract |
ミトコンドリアゲノム全領域の塩基配列を用い、トラフグ属内系統を明らかにした(論文1)。トラフグ属は、東アジア海域で急速に進化したグループであることが明らかとなった。ミトコンドリアゲノムでは、トラフグ及びカラスは判別ができなかった。また、フグ目内系統を明らかにした(論文2)。その結果、従来のギマ亜目、モンガラカワハギ亜目及びフグ亜目はすべて自然分類群ではなく、目内の分類を見直す必要のあることが判明した。さらに、モンガラカワハギ科とカワハギ科の系統を解析したところ、両科は互いに姉妹群であり、どちらもよくまとまった自然群であることが判明した(論文3)。これらの成果を水産大学校主催のシンポジウムで講演した(口頭発表3)。また、トラフグ属について、ミトコンドリアゲノム解析に加え、AFLP解析により雑種解析を行なった(口頭発表1)。その結果、各種は明瞭に識別でき、さらに複数マーカーで雑種の判別も可能で、解析した8個体すべてが雑種第一代であり、種の組み合わせとしては4通りであった。一貫して種判別の可能なAFLPマーカーに基づき、それを特異的に増幅するプライマーを開発し、種及び雑種判別システム構築の足がかりとなることが期待される。東南アジア産淡水フグ3種についての繁殖の記録(口頭発表2)、及び遺伝マーカーに基づいた放流トラフグの自然繁殖追跡(口頭発表4)についての口頭発表を行なった。放流トラフグが産卵親魚となって回帰し、自然繁殖に参加していることが示された。
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