2007 Fiscal Year Annual Research Report
ダチョウ卵および鶏卵・卵白タンパク質の構造と特性に関する比較研究
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19580314
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
栗崎 純一 Jumonji University, 人間生活学部, 教授 (60111481)
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Keywords | ダチョウ / ニワトリ / 卵白タンパク質 / オボアルブミン / オボムコイド |
Research Abstract |
1.ニワトリ(Chi)オボアルブミン(OVA)およびオボムコイド(OVM)の調製法に準じてダチョウ(Ost)卵白から相同のタンパク質を調製した。C38 2.Ost卵OVA様タンパク質は、卵白タンパク質の大半を占め、抗ChiOVA・モノクローナル抗体(MAb)の一つと陽性反応を示したことから、OstOVAと固定した。ただし、市販のポリクローナル抗体2種および7種のMAbとは反応が見られず、両OVA間の免疫学的交差性は低いと推察された。 3.一方、OVM様タンパク質も抗ChiOVM ・ MAb と陽性反応を示したため、OstOVMと同定した。 4.ChiOVAが、結合リン酸基が2,1および0のA1, A2およびA3から構成され、電気泳動(native-PAGE)で三成分が認められるのに対し、OstOVAは、二成分が認められた。一方、OstOVMは、Chiと同様、電気的性質に幅のある不均一性の高いタンパク質であった。 5.SDS-電気泳動分析では、ChiOVAが分子量約45,000であるのに対し、OstOVAは約79,000と算出され、顕著な差が認められた。 6.ChiOVMでは、結合糖鎖の不均一性に起因して、分子量約32,000から38,000に分布する幅のあるバンドとしてSDS-電気泳動で検出されるが、OstOVMでは、分子量約30,000から38,000の間に明確に分離される三成分が認められ、その量比は約3:2:1程度であった。 7.OstOVAの電気的性質の異なる2成分およびOstOVMの分子量の異なる3成分の分離精製を高性能FPLCにより試みたが、現在のところ成功していない。 8.OstOVMに陽性の抗ChiOVM ・ MAb を用いた、競合的酵素免疫測定法の結果、ChiとOstのOVMには構造的差異が少ないことが示唆された。
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