2009 Fiscal Year Annual Research Report
ダチョウ卵および鶏卵・卵白タンパク質の構造と特性に関する比較研究
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19580314
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
栗崎 純一 Jumonji University, 人間生活学部, 教授 (60111481)
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Keywords | ダチョウ / 卵白タンパク / 免疫学的交差性 / オボアルブミン / オボムコイド / レクチン |
Research Abstract |
1. ダチョウ卵タンパク質の利用特性を明らかにすべく,シフォンケーキを作り鶏卵と比較した.焼成温度は,鶏卵より10℃高めに設定する必要があり,ダチョウ卵タンパク質の加熱安定性が大きく影響することがわかった. 2. 鶏卵卵白とダチョウ卵白の免疫学的交差性を鶏卵タンパク質用市販アレルゲン検出キット(A,Bの2種)を用いて調べた結果,ポリクローナル抗体を使用したAキットでは,ダチョウ卵白の抗原性は約1/2500と算出された.一方,モノクローナル抗体を用いたキットBでは抗原性が認められなかった.一次構造上の相同性からみると,主要ダチョウ卵白タンパク質,オボアルブミン(OstOVA)とオボムコイド(OstOVM)に対する,鶏卵OVA抗体や鶏卵OW抗体の反応性の乏しさは異常と思われたので,交差性の定量化を目的にOstOVAとOstOVMに対する抗体を作製した. 3. OstOVMは,SDS-PAGEで移動度がわずかに異なる3本の主要成分からなるが,この分離に各種クロマトグラフィーを駆使して分離を試みたが不成功であった.そのため,3成分のポリペプチド鎖の異同については結論が出なかった. 4. OstOVAおよびOstOVMに対するレクチン結合性(14種)を調べた.OstOVAはGal/GalNAcに特異性をもつ数種のレクチンと反応したが,OstOVMでは,GlcNAc/Neu5Acに特異性のあるWGAレクチンのみが陽性であった.鶏卵の場合と同様,わずかな電気的性質の差に起因するOstOVAへのOstOVMの混入,逆にOstOVMへのOstOVAの混入は,精密な熱安定性,アレルゲン性の測定に従来大きな障害となっていたが,これらレクチン利用による混入防止が期待できた.
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Research Products
(1 results)