2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580380
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
廣谷 博史 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 准教授 (70218858)
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Keywords | 水域汚染 / 都市近郊ため池 / リン栄養 / 光合成活性 |
Research Abstract |
湖沼有光層では,アルカリ性ホスファターゼ活性は,藻類現存量の指標であるクロロフィル濃度と正の相関を示すことがある。しかし,クロロフィルは,藻類の生理状態によって濃度が大きく変動することが知られている。そこで,藻類の生理状態を左右する光合成活性が,アルカリ性ホスファターゼ活性の変動を通じて,リン栄養の可給化,次いでは藻類の増殖能に影響を与えることが考えられる。そのことを明らかにすることを最終的な目的として本研究を行っている。本年度については,パルス変調クロロフィル蛍光測定法の発達により,藻類の光合成活性の測定が正確にできるようになってきたことから,水圏のリン栄養状態が影響を受ける要因として,藻類の光合成活性を検討するための準備を行った。 奈良県香芝市の籏尾上池及び籏尾下池を対象として,2002年度以降毎月一度行っている水質調査を引き続き継続して,アルカリ性ホスファターゼ活性の季節変動と,水質ならびに微生物学的要因との関係を検討した。その結果,水質とアルカリ性ホスファターゼ活性の直接的な関係はないものの,藻類の種類が同活性の水準と関係を持つことが示唆される結果が得られた。水試料中の藻類の光合成活性を測定するために,パルス変調クロロフィル蛍光測定法の測定条件設定を行った。室内実験で光合成活性の変化とアルカリ性ホスファターゼ活性の関係を明らかにするために,Chlorellaの培養系の確立を試みた。 国内外の関連する資料の収集を行った。
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