2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590005
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
宮部 豪人 Hyogo University of Health Sciences, 薬学部, 教授 (10289035)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲谷 繁 兵庫医療大学, 薬学部, 講師 (00242529)
|
Keywords | 薬学 / 有機化学 / 合成化学 / 触媒・化学プロセス / ラジカル化学 / 光触媒 |
Research Abstract |
環境調和型有機合成反応の開発は、21世紀の有機合成化学における最重要課題の1つである。本研究は、次世代型有機合成として、煩雑な保護-脱保護のプロセスを省ける連続結合形成反応に着目し、有機合成反応を効率化する新しい手法の確立することを目指している。本年は、共役イミン類を反応基質に用いて、大気中の酸素分子をラジカル的に捕捉する環境調和型酸化反応の開発を行った。その結果、硫黄原子と酸素原子を連続的に導入する新規反応の開発に成功した。本反応は、様々な共役オキシムエーテル類に適応可能であり、共役ヒドラゾンにも応用できた。しかし、同反応条件は、反応性の高い共役アルデヒドには適していなかった。この結果は、BO結合とBN結合の結合エネルギーの比較から考えて、Et3Bのラジカル捕捉を受けにくく、ラジカル中間体の安定性が向上すると予想される共役オキシムエーテルやヒドラゾンが反応基質に適していることを意味している。また、本反応の特徴としては、硫黄原子と酸素原子を位置選択的に導入できる点であり、官能基化された化合物を簡便に合成する方法となる。次に、本年度から新たに光触媒の研究をスタートした。様々な反応を検討したところ、カルボニル化合物の還元が比較的高収率で進行することを見出した。今後、本反応を詳細に検討する。さらに、ラジカル反応と遷移金属触媒反応の融合研究の前段階研究として、イリジウム触媒をグアニジン類のアリル化反応の開発にも成功した。
|