2008 Fiscal Year Annual Research Report
解毒酵素発現機構に関わる転写調節因子に着目した新視点からの糖毒性発現機序の解明
Project/Area Number |
19590151
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
三輪 匡男 University of Shizuoka, 薬学部, 客員教授 (10046287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 純子 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (30098131)
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Keywords | 解毒酵素 / 転写調節因子 / 転写調節 / 糖毒性 / 核内受容体 |
Research Abstract |
高脂肪食摂食等による栄養状態や糖尿病等の病態時に薬物代謝1相酵素の発現レベルが変動し、薬物代謝能が変化することが、薬物(代謝物)による酸化ストレスの原因となり薬物副作用が惹起されることを提唱してきた。ショ糖を原料に新規イヌリン合成酵素により作製したイヌリンは、天然イヌリンと比較して重合度(DP)が均一に制御されており食品添加物としての利便性が高い。本研究ではこの酵素合成イヌリンの糖毒性抑制効果に着目して、脂肪組織、月刊蔵、血中脂質レベル低下作用を、抗高脂血症薬の作用と比較するとともに、併用による抗肥満効果ならびに医薬品・食品の体内相互作用について解析を進めた。DP=16〜17の合成イヌリン摂取時に高カロリー食摂餌群で見られた血清TGレベル、肝TGおよび総コレステロール含量の増大の抑制、門脈血グルコースレベル、血清インスリンレベルの低下、アディポネクチンレベルの低下の抑制が、難消化性デキストリンやクロフィブラートと比べ最も効果的に見られた。普通食、高カロリー食摂餌群においてイヌリンとクロフィブラートの併用効果は、血清、肝脂質に対して認められなかったが、イヌリンはクロフィブラートによるCYP4Aの誘導を有意に抑制した。一方、イヌリンとフルバスタチンを併用すると、血清、肝総コレステロール含量の低下が相乗的に認められ、フルバスタチンによるCYP3Aの発現抑制の改善効果が認められ、イヌリン摂取がスタチンによる副作用発現を抑制する効果が示された。また、高カロリー食摂餌で亢進する門脈血グルコースレベル、肝Acetyl-CoA carboxylasemRNA、Fatty acid synthase mRNA発現レベルがイヌリン摂取により抑制され、肝臓に運搬される糖レベルの低下が転写因子SREBPlcの発現抑制ひいてはこれら酵素の発現抑制につながり、その結果、抗肥満効果に結びついたと推察された。
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Research Products
(6 results)