2007 Fiscal Year Annual Research Report
鍼刺激による覚醒状態調節と膀胱機能改善のメカニズムの解明
Project/Area Number |
19590222
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
小山 純正 Fukushima University, 共生システム理工学類, 教授 (80183812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和巳 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90325952)
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Keywords | 鍼刺激 / 睡眠・覚醒 / 排尿 / バーリントン核 / 脳波 / GABA / 自律神経 / ラット |
Research Abstract |
・ウレタン麻酔下のラットが、自発的に膀胱収縮を繰り返しているとき、脳波は、振幅の小さい浅い麻酔状態にある。このとき、仙髄への鍼刺激によって、膀胱の活動の抑制は抑制され、脳波は、大きな振幅の徐波(深い麻酔状態)が現れる。脳波と膀胱活動の変化は、多くの場合並行してみられる。 ・これらの変化は、GABAA受容体の阻害剤であるビキュキュリンの前投与によって消失するが、オピエート受容体の阻害剤のナロキナンは効果がなかった。 ・膀胱の活動が抑制され、深い麻酔状態が現れるとき、心拍数や血圧には変化がなかった。 これらの結果から、仙髄への鍼刺激は、膀胱の活動と覚醒状態に抑制的に働くが、この作用は、他の自律神経系には、影響を与えない、かなり特異的な作用といえる。また、膀胱活動、覚醒状態への作用は、いずれもGABAニューロン系を介していると考えられるが、これが、共通のGABAニューロンによるのか、異なるGABAニューロン群によるのかを明らかにすることが、今後の課題である。 ・排尿中枢で膀胱活動に関連するニューロンの活動を記録し、鍼刺激に対する応答を調べたところ、膀胱の活動に相関して活動の上昇する(Eタイプ)ニューロンは、膀胱活動が抑制されるとき、その抑制に先行して、活動が抑制されることが明らかになった。今後は、膀胱の弛緩時に活動の上昇する(Iタイプ)ニューロンに対する効果をも明らかにすることが課題である。
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Research Products
(6 results)