2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞系列決定に必須な転写因子GATA3とFACT複合体、RNAポリメラーゼの関係
Project/Area Number |
19590296
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
宮武 昌一郎 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事 (30239420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 和久 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (00280785)
佐藤 憲子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (70280956)
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Keywords | FACT / GATA3 / DNAメチル化 / Th1 / Th2 / DNAメチルトランスフェラーゼ |
Research Abstract |
FACT複合体を構成するSPT16およびSSRP1を、GATA3とともに293細胞などに過剰発現することにより、免疫沈降法を用いて共沈殿することが示された。さらに過剰発現したGATA3に内在性SPT16およびSSRP1が結合することも確認した。GATA3に結合する分子として、FACT複合体の構成分子としてはSSRP1のみを同定していたが、SPT16ともGATA3が結合することが可能であることを示せた。今後siRNAを用いた発現抑制により、GATA3の作用に対するFACT複合体の関与を検計する。 Th2サイトカイン領域のDNAメチル化状態の制御については、Th2サイトカイン遺伝子IL-4とIL-13の遺伝子間領域に存在し、サイトカイン遺伝子の発現量を増大させる制御領域CNS-1が、脱メチル化の程度を制御することを、CNS-1を欠失したTh2細胞と比較することにより見いだした。さらに、胸腺で成熟したT細胞は、末梢のT細胞より、サイトカイン産生量が高く、これはTh2サイトカイン領域の脱メチル化の程度が、胸腺T細胞の方がより強い為であることを見いだした。Th2サイトカイン1に限らず、Th1サイトカインであるIFNγの産生も増大し、分化を誘導した際、本来産生が抑制されるサイトカインもある程度発現しでしまうことが見いだされた。これは胸腺で成熟したT細胞が、さらに末梢へ移行する際の成熟過程として、活性化刺激に対する脱メチル化誘導活性が減弱することも、T細胞サブセット特異的サイトカイン産生能を規定する分子機構であることを示唆する。GATA3/t-betなどサブセット分化を誘導する転写因子と、DNAメチルトランスフェラーゼがどのような相互作用を持つのか検討する。
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Research Products
(4 results)