2007 Fiscal Year Annual Research Report
ピロリ菌の分泌性病原因子の受容体とメンブラントラフィック機構の解析
Project/Area Number |
19590325
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
菅沼 雅美 Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center, 臨床腫瘍研究所, 主任研究員 (20196695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛原 隆 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (00260513)
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Keywords | 胃がん / DNA 結合 / 発がん足進 / TNF-α / Biacore |
Research Abstract |
ピロリ菌が分泌する病原因子、TNF-α inducing protein(Tipα)は、胃粘膜上皮細胞においてNF-κBを活性化し、TNF-αなどの炎症性サイトカインやケモカインの遺伝子発現を誘導して、がん化を促進する。胃がん患者から分離したピロリ菌は、萎縮性胃炎のピロリ菌に比べ、Tipαを大量に分泌することを見出した。この結果は、Tipαがヒトの胃がん発症に重要な役割を果たしていることを示唆した。Tipαタンパク質を胃がん細胞株に処理すると、細胞膜に結合し、温度依存性に細胞内に取り込まれた。Tipαの細胞内局在を共焦点顕微鏡で観察したところ、細胞質だけでなく核にも存在することを見出した。さらにTipαが核に存在することは細胞分画によって確認した。一方、Tipαの2つのCys残基を含む6アミノ酸を欠失したdel-Tipαは2量体を形成せず、活性がない。del-Tipαは細胞および核内に取り込まれないことから、細胞内への取り込みがTipαの活性に重要であると考えられる。さらに、表面プラズモン解析Biacoreによって、TipαがDNAオリゴマーに結合することを見出した。TipαはDNA結合活性を持つ始めてのピロリ菌の病原因子である。
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Research Products
(9 results)