2008 Fiscal Year Annual Research Report
胃腸管間質腫瘍(GIST)におけるアンギオポエチンとTIE受容体の発現と作用
Project/Area Number |
19590353
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中山 敏幸 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科・原研病理, 准教授 (30284673)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科・原研病理, 教授 (60039922)
|
Keywords | 胃腸管間質腫瘍 / アンギオポエチン / TIE受容体 |
Research Abstract |
手術により切除されたヒトGIST(30例)のパラフィン固定標本を用い、アンギオポエチン(Ang)-1及びAng-2の免疫組織化学染色を行った。Ang-1は約68%、Ang-2は約84%に発現が認められた。また、アンギオポエチンの特異的受容体であるTie-2の免疫染色を行い、約10%発現が認められた。腫瘤の悪性度、腫瘍サイズや核分裂数等の悪性に関する臨床病理学的指標との関連を検討中である。同時に、比較検討のため、良性腫瘤である消化管に発生した平滑筋腫17例、神経鞘腫6例にてAng-1、Ang-2およびTie-2の免疫組織化学染色を行い、GISTでは、平滑筋腫と比べてTie-2発現が有意に低い結果が得られた(p<0.001)。 また、手術切除標本からのヒトGIST細胞のPrimary cultureを試行中である。 同時に、ヒト線維芽細胞培養細胞(TIG109)を用い、Ang-1,2、Tie-2の発現と発現量をWestern blot法により検討を行ったところ、Ang-2とTie-2の発現が認められた。現在、アンギオポエチン投与による細胞増殖・分化・浸潤能への影響、アンギオポエチン投与による腫瘍細胞内シグナリング(特に、MAPkinase系, P I 3kinase系の活性化)への作用の解明、シグナリング阻害剤の効果等の検討を継続中である。 詳細な検討結果をまとめ、研究会等にて報告予定である。
|