2008 Fiscal Year Annual Research Report
MALTリンパ腫の分子病理学的解析と細分類への応用
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19590359
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
稲垣 宏 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (30232507)
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Keywords | MALTリンパ腫 / 前立腺原発MALTリンパ腫 / API2-MALT1キメラ遺伝子 / 皮膚辺縁帯リンパ腫 / 国際共同研究 / ボレリア感染 / 遺伝子メチル化 / 組織好酸球浸潤 |
Research Abstract |
1.前立腺原発のMALTリンパ腫は非常に稀であるが、9年間経過観察が可能であった症例を報告した。症例はTURにより治療され寛解を得たが、7年後に再発を示した。しかし腫瘍は前立腺にとどまっており,再びTURのみで治療され、その後2年間寛解を維持している。本症例の示した経過はは前立腺原発MALTリンパ腫の治療を選択する上で重要と考えられた (Li C, Inagaki H, et al. Pathol Int2008)。 2.皮膚辺縁帯リンパ腫は比較的稀な腫瘍である。その原因として欧州においてはボレリア感染との関連が示唆されているが、アジアや米国においてはその関連は明らかではない。このように皮膚辺縁帯リンパ腫は地域による臨床病理学的差異がある可能性がある。われわれはこの腫瘍の全体像を明らかにするために、アジア(日本・台湾)、ドイツ、米国(ピッツバーグ)から症例を収集し、国際共同研究を行った。3地域間で、臨床病理学的差異は少なかったが、アジア症例で組織好酸球浸潤が目立った。ボレリアDNAやAPI2-MALT1キメラ遺伝子は全例に陰性であった。また遺伝子メチル化を検索したところ、3地域症例に共通して、DAPK遺伝子、p16遺伝子の過剰メチル化を認めた。これらの知見は皮膚辺縁帯リンパ腫を理解する上で重要と考えられた (Takino H, Inagaki H, et al. Mod Pathol.2008)。
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Research Products
(6 results)