2007 Fiscal Year Annual Research Report
KIT遺伝子改変動物を用いた消化管運動ペースメーカー細胞に発現する分子の解析
Project/Area Number |
19590411
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
礒崎 耕次 Hyogo College of Medicine, 医学部, 非常勤講師 (00425117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 誠一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50218856)
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Keywords | 多発性GIST / ノックインマウス / カハールの介在細胞 / c-kit遺伝子 / 生殖系列 / 機能獲得性突然変異 / exon17 |
Research Abstract |
われわれが発見したヒト家族性GISTでみられたコドン820番のAspがValに変異するgermlineレベルの機能獲得性突然変異を持つノックインマウスの作成を完了した。ヒト家族性GISTの場合には小腸にカハールの介在細胞の過形成がみられたが、作成したノックインマウスでは、ヘテロ、ホモ両者において胃、大腸のmyenteric plexusレベルのカハールの介在細胞の過形成像を認めたものの、小腸には過形成像を認めなかった。実際、小腸には収縮弛緩運動にも明らかな異常はみられなかった。ヒト家族性GISTの場合にはカハールの介在細胞の過形成を基盤とした小腸のGIST多発がみられたが、ノックインマウスではヘテロ、ホモ両者において、盲腸に1個のGIST発生が確認されるのみであった。この変化は、以前に報告のある別のタイプのノックインマウスと類似した変化であった。その他、KITは生殖細胞の分化、増殖に重要な役割をしているが、作成したノックインマウスホモの精巣には、KIT遺伝子の機能獲得性変異を導入しているにも関わらず、KIT遺伝子の機能喪失性変異を持つマウスの形質に類似した精子形成の著明な低下がみられた。また、皮膚マスト細胞に変化のみられた別のタイプのノックインマウスと異なり、正常マウスの場合と比べて皮膚マスト細胞数に明らかな変化は見られなかった。 ノックインマウスのカハールの介在細胞の過形成細胞およびGIST細胞の培養系を確立すべく、現在取り組んでいるところで、培養系を経ないでカハールの介在細胞の過形成細胞およびGIST細胞からcDNAライブラリーを作成する実験は現在計画中である。
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Research Products
(2 results)