2007 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペスウイルスのトロピズム、HSVのトロピズムは母子感染の予防機構
Project/Area Number |
19590471
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
白木 公康 University of Toyama, 医学薬学研究部(医学), 教授 (50135745)
|
Keywords | 単純ヘルペスウイルス / トロピズム / 温度感受性 / 母子感染 / 病原性 |
Research Abstract |
単純ヘルペスウイルス(HSV)2型は、性器ヘルペス、母子感染を起こすが、それらの病原性の特徴であるトロピズムに関しては全く知られていない。しかし、他のウイルスでは、臓器特異的なトロピズムの報告があり、同一患者の性器ヘルペスの外陰部と頚部や母子感染例では児と外陰部から、同一患者の分離された場所の異なるウイルス株間で、性状の差違を比較した。そして、サル腎細胞Vero細胞とヒト肝細胞由来HepG2細胞でのプラック形成率の比較より両細胞間でのトロピズムの差違とVero細胞での温度感受性の差違を見出した。分離部位によって認められたトロピズムの差違を生ずるウイルス遺伝子の同定を行い、病原性との関連を研究している。現在、トロピズムの異なるウイルス株の塩基配列を決定し、比較を行っている。また、変異遺伝子を推定するため、HepG2細胞とVero細胞でのウイルス蛋白の合成の差違の確認を行っており、前初期蛋白IE4の合成量の差違がある可能性を見出した。そのため、IE4の遺伝子発現の調節領域の変異の検出に焦点を絞っているが、その部位の配列のGCが80%以上のため、塩基配列の決定と比較に難渋している。また、これまでに2株間で1カ所の差違を認めたが、これまでに分離されている他のウイルス分離株のペアでは同様な変異を認めなかった。したがって、この変異がトロピズムを決定する遺伝子ではなかったようである。以上のように、トロピズムの差違を生じる遺伝子に近づいていると思われる。
|
Research Products
(10 results)