2008 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペスウイルスのトロピズムは母子感染の生物学的予防機構
Project/Area Number |
19590471
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
白木 公康 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50135745)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / トロピズム / 遺伝子変異 / 温度感受性 / 塩基配列 |
Research Abstract |
「単純ヘルペスウイルス(HSV)のトロピズムは母子感染の生物学的予防機構」に関する研究では、HSVの分離場所(胎児、子宮頚部、外陰部)により、Vero細胞での温度感受性とヒト肝細胞由来細胞HepG2細胞での増殖で区別できることの分子レベルでの解析を目指した。それを遂行するため、初めに、胎児と子宮頚部のウイルスの遺伝的な差異について検討した。その際には、それぞれのウイルスの塩基配列を調べたが、約90%にわたって比較したが、差異を認めなかった。そこで、胎児のウイルスの性状が、2群に分かれるので、それぞれの群からクローンを分離して、それらの塩基配列の決定を再開した。その結果、ある遺伝子に、胎児特有の変異が存在することを確認できた。研究期間が長期にわたったが、やっと遺伝子変異にたどり着けた。この変異は、Vero細胞の温度感受性、HepG2細胞での増殖と一致していた。そこで、この変異が、これらの性状と一致することを確認するため、変異ウイルスの作製を行いその変異ウイルスの性状を確認する実験に着手している。 ウイルスの集団が、均一でないため、当初の方法では変異が見いだせなかった。また、HSVの遺伝子は150Kbであり、そのGCが80%以上の部位が大部分であるため、予想以上に塩基配列決定が困難であった。しかし、この研究機関の終了前に、変異が決定でき、目的は達成できたと考えている。
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Research Products
(19 results)