2007 Fiscal Year Annual Research Report
脱ユビキチン化酵素AMSHによるウイルス感染増殖機構の解明
Project/Area Number |
19590484
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Research Institution | Miyagi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
田中 伸幸 Miyagi Cancer Center Research Institute, 免疫学部, 部長 (60280872)
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Keywords | 脱ユビキチン化 / ウイルス / 感染 |
Research Abstract |
真核生物に普遍的に存在するユビキチンは、プロテアソーム依存的蛋白分解に関与するのみならず、標的蛋白を小胞輸送系に誘導する。宿主のユビキチン修飾系および小胞輸送系は、ウイルスの細胞内侵入から最終的な成熟ウイルスの放出に至る一連のウイルス増殖においても密接に関与していることが推察されているが、その詳細は未だに不明の点が多い。申請者はESCRT会合分子を探索し、新規分子AMSH,AMSH-LPを単離同定した。この2つの分子は独立した遺伝子にコードされ、AMSH,AMSH-LPはいずれも輸送に関わるユビキチン修飾(K63)特異的な脱ユビキチン化酵素であり、MPNドメインに酵素活性があることが判明した。従って、Hrs,STAM1,STAM2は脱ユビキチン化酵素と複合体を形成することにより、ウイルス蛋白を含む標的蛋白のユビキチン化を制御し、ウイルス増殖に関わっている可能性が高い。そこで293T細胞に対し酵素活性を欠損したAMSHおよびAMSH-LP、あるいは各分子に対するshRNAを導入してノックダウンを行い、さらにHIV-gagを導入してウイルス様粒子(VLP)の出芽をELISA法、および超遠心-ウエスタンブロット法により検討した。その結果、AMSH-shRNAの導入によりVLPが有意に低下し、さらにVLPの形態が異常となることが判明した。したがって、AMSHによる脱ユビキチン化がウイルス粒子形成を正に制御する可能性が示された。
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