2009 Fiscal Year Annual Research Report
医師偏在の背景因子に関する研究:診療科ならびに診療地域選択の影響要因の解析
Project/Area Number |
19590508
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
武田 裕子 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70302411)
|
Keywords | 医師 / 研修医 / 医学生 / 進路選択 / 医師不足 / 医師偏在 / 診療科の偏在 / 入学者選抜 |
Research Abstract |
本研究は、地域あるいは診療科による医師偏在の背景因子を明らかにし、入学者選抜のあり方やその後のインセンティブの設定、キャリア・カウンセリングなど効果的な教育介入法について検討することを目的にしている。 研究方法としては、医学生、初期研修医および医師会員を対象に無記名自記式のアンケート調査を実施するもので、診療科や診療地域選択に際して重視した事項、特定の診療科選択/非選択の理由ならびに影響要因を調べた。また、人口規模の小さい地域や医師不足の診療科で診療している医師の属性などを調査した。 今年度は、医学生(4,6年生)、卒後3,4年目の研修医を対象として追跡調査を実施した。医学生を対象とした調査は、平成19年度に協力が得られた大学に依頼し4年生35校、6年生7校から協力が得られた。研修医を対象とした追跡調査は、平成19年度に協力が得られた4校から協力が得られた。アンケートの配布、回収数(回収率)は、4年生では、3200部配布、2287部回収(71.5%)、6年生では、676部配布、183部回収(27.1%)、研修医では、417部配布、99部回収(23.7%)であった。4年生から6年生への進学者で同一人物と特定できた者(399名)は、将来の進路として臨床医(92.2%)を考え、臓器別専門内科(22.1%)、外科(17.0%)、一般内科(12.8%)に興味をもつようになり、一般内科(30.6%)、救急(21.3%)、小児科(20.8%)に興味を失っており、離島・へき地での勤務を前向きに考えるようになった者は15.0%、後ろ向きに考えるようになった者は18.5%であった。6年生から初期研修医への進学者で同一人物と特定できた者(43名)は、将来の進路として臨床医(93.0%)を考え、小児科(11.6%)、一般内科(9.3%)、臓器別専門内科(9.3%)に興味をもつようになり、一般内科(27.9%)、臓器別専門内科(25.6%)、小児科(18.6%)に興味を失っており、離島・へき地での勤務を前向きに考えるようになった者は14.0%、後ろ向きに考えるようになった者は14.0%であった。初期研修医から後期研修医への進学者で同一人物と特定できた者が著しく少なかった。
|
Research Products
(6 results)