2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本語版ヘルスリテラシー評価ツールの開発と保健医療のエンパワーメントに関する研究
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19590522
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
杉森 裕樹 Daito Bunka University, スポーツ・健康科学部, 教授 (20276554)
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Keywords | ヘルスリテラシー / 保健医療情報 / 情報格差 / 評価ツール / エンパワーメント |
Research Abstract |
本年度は米国でヘルスリテラシー評価ツールとして用いられているThe Rapid Estimates of Adult Literacy in Medicine(REALM)等を参考にして日本語の評価ツールの開発を行った。一般従業員のフォーカスグループインタビューを経て、さらにデルファイ法で選択した27つの医学用語(タンパク質、悪性所見、限局性、頻度、日内変動、随伴症状、既往歴、中性脂肪、座薬、心因性、吐血、近医、頓服、下血、インスリン、便潜血、グルコース、HDLコレステロール、脾臓(ひぞう)、ヘモグロビン、網膜症、メタボリック症候群、タール便、ケトアシドーシス、食事バランスガイド、早寝早起き朝ごはん、エクササイズガイド)を用いて、職域日本人従業員466人(男性268名,女性198名)を対象に調査した。28用語それぞれについて、5段階でヘルスリテラシーレベルを評価した。またスコアリングして総点数も算出し(医療用語総得点)、四分位で分類した。一方、代表的な健康関連QOL(HRQOL)であるSF8^<TM>スタンダード版(1ケ月)の8つのサブドメインの中で主観的健康感を測る目的で全体的健康感(GH)も調査した。多くの医療用語において、医療用語の認知度(ヘルスリテラシーレベル)が相対的に高い者は「健康」とされる割合が高かった。このうち、「タンパク質」「頻度」「近医」「下血」「インスリン」「便潜血」「脾臓(ひぞう)」では、「健康」の割合が有意に高かった。(p<0.05)また、医学用語総得点(四分位別)が高くなるほど「健康」者の割合が増加した。今回、ヘルスリテラシーレベルと全体的健康感に関連性があることが示唆され、わが国でもヘルスリテラシー格差が予防や医療の効果に差を生みだす可能性などについて十分検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)