2007 Fiscal Year Annual Research Report
血栓症リスクファクター・先天性/後天性プロテインS欠乏症発症の分子基盤解明
Project/Area Number |
19590553
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小嶋 哲人 Nagoya University, 医学部, 教授 (40161913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 正 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30314008)
高木 明 名古屋大学, 医学部, 助教 (30135371)
山本 晃士 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90362251)
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Keywords | プロテインS(PS)欠損症 / PROS1遺伝子 / 遺伝子欠失 / プロモーター / ルシフェラーゼ・レポーター解析 / HepG2細胞 / エストラディオール(E2) / PS mRNA |
Research Abstract |
先天性プロテインS(PS)欠損症・異常症の遺伝子解析において、未解析の新たな症例検体については従来のPCRダイレクトシーケンス法を用いた遺伝子変異の同定を行った結果、新規変異を含めてその原因と思われるPROS1遺伝子変異を同定した。その中でPROS1遺伝子の蛋白翻訳領域には変異は見つからなかったものの、翻訳開始点より168bp上流のプロモーター領域に同定したC→T(c.-168C>T)の点突然変異のルシフェラーゼ・レポーター解析の結果、変異型では転写活性が20%まで低下し、先天性PS欠損症の原因と思われた。 先天性PS欠損症症例で従来の各エクソンのPCRダイレクトシーケンス法にてPROS1遺伝子に変異の見つからなかった症例において、PROS1遺伝子の15個の各エクソン部に偽遺伝子と区別するPCRプライマーを設定し、Multiplex Ligation-dependent Probe Amplification(MLPA)法によってPROS1遺伝子欠失の同定解析を行ったところ、PROS1遺伝子の全欠失を示す症例を1例同定した。しかし、他の多くの症例では欠失を同定できず、遺伝子欠失の頻度はまれであると思われた。 ヒトPSを産生するHepG2細胞を用い、エストラディオール(E2)の添加による培養上清中のPS分泌量の変動についてELISA解析を行ったところ、30%の発現低下を認めた。また、細胞内PSmRNAの変動についてReal Time PCRを用いて定量した結果、同様にE2の添加によるmRNA発現低下を認めた。現在、PS遺伝子プロモータ領域をクローニングし、ルシフェラーゼ・レポーター解析による、HepG2細胞でのE2によるPS遺伝子発現の制御動態解析を施行中である。
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Research Products
(13 results)