2007 Fiscal Year Annual Research Report
フラボノイドによる抗アレルギー活性の新規作用機序の検討
Project/Area Number |
19590554
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 健三 Nagoya University, 医学部, 教授 (50093050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川部 勤 名古屋大学, 医学部, 准教授 (20378219)
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Keywords | アレルギー / ポリフェノール / フラボノイド / 肥満細胞 / heme oxygenase-1 |
Research Abstract |
フラボノイドは種々の野菜や果物に存在する生理活性成分であり、抗炎症作用、抗酸化作用、抗菌作用、抗腫瘍作用などが注目され健康食品として商品化されている。フラボノイドの一種であるケルセチンは抗炎症活性を持つがその炎症反応抑制機構、特に抗アレルギー活性発現の作用機序については現在までのところまだ明確にされていない。一方、ポリフェノールの中にはheme oxygenase(HO)-1の酵素活性を介して細胞保護作用を発揮するものが報告されている。本研究の目的は抗アレルギー活性を持つフラボノイドについてケルセチンを代表としてその作用機序を解明することである。予備実験で肥満細胞におけるケルセチンのHO-1の発現誘導を確認し、ケルセチンによるHO-1の発現誘導と肥満細胞の脱顆粒との関係を評価した。さらにはケルセチンによるHO-1発現誘導に関わるシグナル伝達経路について検討した。肥満細胞においてHO-1は恒常的に発現しており、ケルセチンによってHO-1の発現は増強した。また、HO-1誘導剤によって肥満細胞の脱顆粒は抑制され、HO-1阻害剤によりケルセチンによる脱顆粒抑制効果が解除された。HO-1の発現に関わる転写因子Nrf2はケルセチンにより細胞質から核内へと移行することが明らかになり、ケルセチンはNrf2-HO-1を介して抗アレルギー作用を示す可能性が示唆された。現在は他の抗アレルギー活性を持つフラボノイドについてHO-1との関係を検討中であり、最終的には約4,000種類のフラボノイドの中でHO-1誘導能や脱顆粒抑制能を検討し、最も有効に抗アレルギー活性を持つフラボノイドの側鎖の修飾や基本構造を特定する。また、アレルギー反応が促進される可能性があるケルセチンの長期曝露について、HO-1がどの程度重要であるか評価し、ケルセチン長期曝露時に誘導される他の分子についても検討を加える予定である。
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Research Products
(5 results)