2008 Fiscal Year Annual Research Report
フラボノイドによる抗アレルギー活性の新規作用機序の検討
Project/Area Number |
19590554
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 健三 Nagoya University, 医学部, 教授 (50093050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川部 勤 名古屋大学, 医学部, 准教授 (20378219)
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Keywords | フラボノイド / heme oxygenase / 肥満細胞 |
Research Abstract |
フラボノイドの一種であるケルセチン、ミリセチン、ケンフェロールは、肥満細胞や好塩基球を安定化させ、ヒスタミンの放出を抑制する効果が報告されている。これらのフラボノイドは抗アレルギー活性のみならず広く細胞保護作用を持つが、抗アレルギー活性発現の作用機序についてはまだ明確にされていない。最近フラボノイドはheme oxygenase(HO)-1を介して細胞保護作用を示すことが報告された。HO-1はヘムを分解しビリベルジン、鉄、一酸化炭素(CO)、さらにはビリルビンに分解する。本研究ではフラボノイドであるミリセチンおよびケンフェロールの抗アレルギー作用とHO-1の関係について検討した。 ミリセチンおよびケンフェロールは濃度依存的および時間依存的に脱顆粒を抑制し、これらのフラボノイドは肥満細胞においてHO-1の発現および活性を増強させた。また、ミリセチンおよびケンフェロールによる脱顆粒の抑制はHO-1の阻害剤によって解除され、HO-1の代謝産物であるビリルビンやCOによって脱顆粒が抑制されたことから、これらフラボノイドによる抗アレルギー作用はHO-1を介しており、HO-1によって産生されたビリルビンやCOが抗アレルギー作用に関与している可能性が示唆された。さらに、ミリセチンは転写因子nuclear factor-erythroid 2 related factor 2(Nrf2)を細胞質から核へと移行させることも明らかとなった。 ミリセチンおよびケンフェロールは肥満細胞においてHO-1の発現および活性を増加させることにより抗アレルギー作用を示すことが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)