2008 Fiscal Year Annual Research Report
いわゆる健康食品に混入された医薬品的成分の段階的検索法の構築
Project/Area Number |
19590616
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Research Institution | Aichi Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
三上 栄一 Aichi Prefectural Institute of Public Health, 衛生化学部, 医薬食品研究室長 (80450865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 清栄 愛知県衛生研究所, 衛生化学部, 薬品化学科主任 (20450869)
大野 勉 愛知県衛生研究所, 衛生化学部, 部長 (50450862)
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Keywords | 健康食品 / 医薬品的成分 / ダイエット食品 / スクリーニング確認 / 健康被害惹起成分 |
Research Abstract |
いわゆる健康食品に違法な医薬品的成分の添加がある場合、迅速、簡便で、精度の高い実用的な評価法が必要になる。このため、成分の段階的検索法の確立について、検討した。ダイエット食品中に高頻度で検出されるフェンフルラミン、シブトラミン等5成分について、GC/MSを用いたスクリーニング同時検索法の開発を行った。電子及び化学イオン化法にて測定する最適化条件を検討した。本法により、5成分は短時間(13.5分以内)に分析でき、かつ単一機器における複数のイオン化法を用いることで異なる条件として試験実施が可能なため、確認試験として精度が高い。その結果成分検出の信頼性を高めることが可能となり、分析法の有効性が示された。一方、健康被害惹起成分のうち、生薬由来のものは少なくない。生薬をスクリーニング確認するために用いられてきた順相TLCの展開溶媒は、クロロホルム等のハロゲン系溶媒が汎用されてきた。逆相TLCは、有害試薬の使用を低減化させ、かつ試験の再現性に優れているため、多成分を含有している生薬分析に有効とされる。展開溶媒にアセトニトリル等の溶媒系を用い、生薬の主成分を指標とした確認試験法を検討した。その結果、他の共存成分と分離された単一なスポットを得ることができ、スキャニングデンシトメータを併用することにより、成分を、簡易、迅速、確実に同定することが可能となった。TLCは、安価で簡易な方法でありながら、条件設定を工夫すると試料中に含まれた成分の全容を一目で確認でき、同時に多検体を処理できる利点があった。TLC、GC/MSなどの分析手法の特徴を組み合わせながら、違法な医薬品、不純物成分の混入した健康食品を確認、定量、同定する段階的評価の基本検索法を検討した。その結果、薬事法違反を取り締まる科学的調査手段として、消費者の保健衛生福祉に寄与することが可能となった。
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Research Products
(8 results)