2008 Fiscal Year Annual Research Report
デートレイプドラッグによる健忘状態の解明-医薬品を不正使用した犯罪の抑止-
Project/Area Number |
19590664
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
清水 惠子 Asahikawa Medical College, 医学部, 教授 (90312462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 和夫 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20127533)
浅利 優 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40360979)
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Keywords | デートレイプドラッグ / 医薬品不正使用 / 溶解度 / 犯罪防止 |
Research Abstract |
医薬品は医療において、必須の化学物質である。しかし、近年欧米を中心に、医薬品のもつ薬理作用を犯罪へ悪用する、医薬品の不正使用が激増している。諸外国では、国家機関が警鐘を鳴らし、"Date Rape Drug"と呼ばれ、主に悪用される医薬品は、ベンゾジアゼピン系薬物、非ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤および麻酔薬であり、アルコール飲料と併用されることが多い。我国においても、医薬品の不正使用による準強姦事件において、アルコールが併用された場合、高頻度に前向健忘が生じ、被害者に被害時の記憶が無く、一見被害者が大胆な行動をとるという事実を、公判証人として医学・薬理学的に説明する機会を得た。医薬品には、目的外使用である不正使用時の客観的データは存在しない。本研究は、医薬品が不正使用された場合の各種データを整備し、裁判における犯罪被害者の人権擁護、犯罪防止啓蒙活動に役立つ事を目的としている。各種飲料(お湯及びアルコール飲料)に薬剤を混入した場合の溶解度を、245nmの吸光度変化を目安として評価した。試験薬物は、一般に催眠作用を持ち、かつ日常的な臨床現場で繁用されている薬剤である。製造元の異なるそれぞれ2〜3種の製剤(錠剤)を用いた。主成分として、トリアゾラム、ゾピクロン、ゾルピデム酒石酸塩、エチゾラム、リルマザホン、ブロチゾラム、ロルメタゼパム、フルニトラゼパム、エスタゾラム、ニトラゼパム、ジアゼパム、クアゼパム、ペントバルビタールカルシウム、フェノバルビタール、スルピリド、ジフェンヒドラミン塩酸塩、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ヒドロキシジン塩酸塩を選択した。同一の成分を含有していても、賦形剤等の製造方法元が異なると、不正使用した際の溶解度・溶解時間に差が認められるものが数多くあった。また、各薬剤間には、不正使用条件下では溶解度に顕著な差が認められる場合があることが明らかとなった。
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