2008 Fiscal Year Annual Research Report
防風通聖散およびその生薬成分の肝脂肪化抑制機構の研究
Project/Area Number |
19590693
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
内田 耕一 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 助教 (80397992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 崇二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00332809)
山本 直樹 山口大学, 大学院・医学系研究科, 医員 (90448283)
飯塚 徳男 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80332807)
坂井田 功 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80263763)
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Keywords | 漢方薬 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 薬理学 |
Research Abstract |
これまで非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対して様々な治療が試みられているが十分な効果は上げていない。我々は漢方薬・防風通聖散(TJ-62)の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対する治療効果の検討のため、ラットコリン欠乏性脂肪性肝炎・肝硬変モデルを用いて実験を行なった。肝線維化はアザン染色・シリウスレッド染色で評価し防風通聖散投与群は肝線維化を有意に改善した。肝線維化の中心的役割を示す肝星細胞の活性化をαSMA、 TGF-βの免疫染色を用いて検討し有意に活性化を抑制していることを認めた。また肝発癌については前癌性病変のマーカーであるGSTP蛋白の発現について免疫染色にて評価し、防風通聖散投与群では有意に肝発癌を抑制した。また体重、血清蛋白質、血清ビリルビン値、肝線維化マーカーである血清ヒアルロン値も投与群で有意に改善した。遺伝子レベルにおいても線維化マーカーであるコラーゲンI、TGF-βのmRNAの発現も投与群において有意に抑制されていた。また8種類の生薬からなる大柴胡湯(TJ-8)についても同様の実験を行い、肝線維化及び肝発癌抑制効果を有意に持つことを実証した。以上の2つの漢方薬での結果を2008年11月米国、サンフランシスコで開催された第95回アメリカ肝臓病学会でそれぞれ発表した。漢方薬を使ったこの結果は代替医療の研究が進んだ米国でも注目されている。現在各生薬レベルでの肝線維化効果を検討するため、メダカを用いた脂肪肝・肝線維化モデルにおいて個々の生薬の作用機序について検討中である。
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Research Products
(2 results)