2007 Fiscal Year Annual Research Report
I型糖尿病における摂食障害合併に関する研究-発症因子及び予後-
Project/Area Number |
19590695
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
瀧井 正人 Kyushu University, 大学病院, 講師 (20294928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内潟 安子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50193884)
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Keywords | 糖尿病 / 摂食障害 / 発症因子 / 予後 |
Research Abstract |
1型糖尿病に摂食障害を合併した女性患者における、糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症の発症因子について解析し、糖尿病の罹病期間および重度のインスリン自己中止の持続期間が、これらの合併症発症に最も関連した因子であることがわかった。その成果は、英文誌International Journal of Eating Disordersに掲載された。 糖尿病の罹病期間は、糖尿病慢性合併症のよく知られた発症因子であるが、摂食障害に関する様々な問題行動のうち、重度のインスリン自己中止の持続期間が合併症発症に最も関連した因子であることが今回はじめて証明された。 インスリン自己中止は、インスリン注射の故意の減量や省略を意味し、若い女性の1型糖尿病愚者においては、体重コントロールの目的でしばしば行われている。インスリン自己中止は、当然血糖コントロールの悪化をもたらす。特に、摂食障害との関運で問題は大きく、摂食障害発症の原因の一つと考えられ、摂食障害の治癒を難しくさせている要因とも考えられている。 1型糖尿病に合併した摂食障害は、血糖コントロールの悪化から合併症の早期発症・進展をもたらす、大変重大な病態である。しかも、1型糖尿病において摂食障害の頻度は通常よりも高く、治療も通常の摂食障害よりも難しいと言われている。インスリン自己中止は、1型糖尿病に摂食障害を合併した患者の大半が行い、しかも程度も重度であり、その病態の中心的な位置を占めるものである。今回、インスリン自己中止と糖尿病慢性合併症との関連を明らかにしたことは、これらの患者にインスリン自己中止の悪影響について気付かせ、この問題行動や摂食障害をやめる最初のステップになるかもしれないという意味でも、重要性があると思われる。
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Research Products
(1 results)