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2008 Fiscal Year Annual Research Report

ソーシャルストレスによる遺伝子発現異常の解析(乳仔期ストレス有無の影響)

Research Project

Project/Area Number 19590702
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

石毛 敦  Keio University, 医学部, 講師 (20383705)

Keywordsストレス / 行動異常 / 遺伝子発現 / マウス / 漢方薬
Research Abstract

1、慢性ソーシャルストレス負荷における行動学的分子生物学的異常の解析
ソーシャルストレスを長期間(4週間)負荷することによりうつ症状のみならず恐怖条件付け試験によって恐怖不安が増大することを明らかにした。ソーシャルストレスは暴力と精神的ストレスの複合したストレスで現代のあたかも「いじめ」を想起させる。うつ様症状および恐怖不安の増大は、ソーシャルストレス負荷2周目より認められ、4週では明らかな増強が認められた。それに先立ち(1週目より)海馬でのBDNFmRNAおよびその関連遺伝子の発現増加が観察された。BDNFは神経の栄養因子でありほとんどのストレス負荷で発現の減少が起こることが知られている。抗うつ剤はBDNFの発現を増加させることでうつ様症状を改善させることが報告されている。したがって、BDNFが発症にかかわるストレス疾患(恐怖不安等)が存在するとすれば、抗うつ剤で改善されない可能性を示唆するものである。少なくとも今回我々が明らかにしたソーシャルストレス負荷モデルでは抗うつ剤の効き目が悪い可能性がある。そこで今年度は抗うつ剤による効果も観察することとした。ソーシャルストレスは4週間付加し、その間SSRIと漢方薬の柴胡加竜骨牡蠣湯をそれぞれ別々の動物に投与して効果を検討した。その結果、うつ様症状に関してはSSRIで改善傾向、漢方薬で有意な改善作用が認められた。しかし、ソーシャルストレスで増大する恐怖不安症状に関しては、SSRIではほとんど抑制作用を示さず、漢方薬投与で有意な改善作用が見られた。このときの海馬でのBDNFmRNA発現を見てみると、漢方薬投与でのみ増加した海馬BDNFmRNA発現が正常レベルまで改善していた。現段階ではBDNFmRNA発現を抑制したために恐怖不安を改善したのかは完全には明らかではないが検討の余地を十分残す結果であった。恐怖を記憶として保持するために不安が増大する場合には抗うつ薬が有効でない場合もあるのかもしれない。この点を今後明らかにしていくことが重要である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2008

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Effects of the chronic social defeat on behavior and gene expression in the brain.2008

    • Author(s)
      築地 賢治, 他
    • Organizer
      第51回日本神経化学会
    • Place of Presentation
      富山国際会議場
    • Year and Date
      2008-09-12

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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