2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌由来増殖因子と受容体の発現・活性化調節による肝癌増殖の制御
Project/Area Number |
19590795
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
中村 秀次 Hyogo College of Medicine, 医学部, 准教授 (20237423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 宏安 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60340957)
榎本 平之 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40449880)
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Keywords | 肝癌由来増殖因子 / HDGF / 肝癌 / 受容体 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
(1)HDGF受容体の同定と細胞内シグナル伝達機構の解析。グルタチオンアガロースを用いてリコンビナントHDGFカラムを作成し、HuH-7肝癌細胞のcell lysateをアプライし、十分に洗浄後、グルタチオンでHDGFと結合蛋白を溶出し、2次元電気泳動にて解析した。HDGF結合蛋白を質量分析にて同定した。現時点では、既知の増殖因子受容体が一つの候補と考えられ、免疫沈降-Western法にて相互の結合能を確認中である。HDGFの受容体が明らかになれば、新た増殖制御法の開発につながるものと考える。(2)HDGF高発現、または発現低下により変動する遺伝子の解析。HepG2およびSK-Hep-1肝癌細胞を用いて、HDGF高発現株、更にshRNAを用いてHDGFノックダウン株を作成した。現在、これらのHDGF高発現株と低発現株の遺伝子発現変化をDNAchipにて解析中である。この結果によりHDGFにより誘導される遺伝子および発現抑制される遺伝子が明らかとなる。(3)HDGF発現抑制によるinvivoでの肝癌の増殖抑制の解析。HDGFshRNAを用いてSK-Hep-1細胞のHDGFノックダウン細胞株を2クローン作成した。抗HDGF抗体にてHDGF発現抑制を確認できている。現在、in vitroでの細胞増殖能を検討中である。HDGFノックダウン細胞株およびHDGF高発現株、Mock細胞をヌードマウス皮下に接種して腫瘍形成能の相違を解析する動物実験を準備中である。(4)HDGFのpromoter領域の解析。HDGF遺伝子の上流について、塩基長の異なる数種類の遺伝子をPCRにて獲得し、dual luciferase vectorに組み込み、HDGFのpromoter領域のluciferaseアッセイ系を確立した。このHDGF promoter luciferaseアッセイ系を用いて、ビタミンK2によるHDGF発現抑制がHDGFのpromoter領域に作用して(或いは、介して)いること、その作用部位が-1〜-171に存在することを明らかにした。HDGFの発現制御法を思索する上で重要である。(5)ヒト血漿中HDGF濃度のELISA測定系を確立した。
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Research Products
(4 results)