2008 Fiscal Year Annual Research Report
合成メチル化カテキンによる抗腫瘍効果のメカニズムの解析及び臨床応用への基礎研究
Project/Area Number |
19590797
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
橋本 修 Kurume University, 医学部, 助教 (50289427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 隆登 久留米大学, 先端癌治療研究センター, 教授 (70176618)
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Keywords | メチル化カテキン / 抗酸化作用 / 抗癌剤 |
Research Abstract |
平成19年度までの研究により、べにふうき茶から抽出できる3"メチル化カテキンが非常に強い抗酸化能力をもつこと、また、この能力が細胞増殖シグナルに重要な分子であるAktのリン酸化を阻害し強い増殖抑制効果をもつことをin vitroのみならず、in vivo(マウスへのヒト肝癌腫瘍移植モデル)にても腹腔内注射にて証明した(論文投稿準備中)。 今成20年度は実際のヒトへの応用のために、経口投与が効果があるのか、その量はどのくらいかをマウスのヒト肝癌腫瘍移植モデルを用い検討した。3"メチル化カテキン投与量を振り分け経ロゾンデを用いて連日投与した。その結果、10mg/Kgの投与投与良にて有意に非メチル化カテキン投与群にくらべ差があった。 緑茶から抽出する非メチル化カテキンは消化管よりの吸収能率は大変悪い。その原因のひとつに、すでに消化管内で胃酸などの強い酸性液への接触してしまうことが考えられる。また、非メチル化カテキンは通常、メチル化、スルホン化など何らかの修飾をされると抗酸化作用は消失してしまう。カテキンは肝臓を一周通過するだけで様々な修飾をうけるため吸収後も即座に抗酸化力は消失する。 しかしながら、カテキン環の3"の部位がメチル化されたカテキンは逆に、非メチル化カテキンより強い抗酸化力を示すことが報告されている。べにふうき茶は最近、栽培量も増加しつつあるお茶であるが、これからは高率に3"の部のメチル化カテキンが抽出できる。 今期の研究において体重60kgの成人であれば一日、600mgの3"メチル化カテキンの内服で抗酸化効果、ひいては抗腫瘍効果も期待できると考えられる。カテキン540mg含有のお茶の飲料品があることを考えるとその副作用はかなり少ないと考えられる。 今期の研究成果はメチル化カテキン含有抗癌剤の発明につながる大きな成果と考えられる(PCT国際特許申請中)。
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Research Products
(2 results)