2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規昇圧物質カップリングファクター6の網羅的機能解析と心血管病態形成機序の解明
Project/Area Number |
19590800
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
長内 智宏 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 准教授 (00169278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 謙 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20185549)
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Keywords | Coupling factor 6 / Vascular smooth muscle cells / SHR / WKY / Acidosis / c-Src / Calcium / Angiotensin II |
Research Abstract |
Coupling factor 6(CF6)の血管平滑筋細胞内情報伝達機構 1)Competitive displacement analysisより求めたCF6受容体のKd値はSHRがWKYに比較して小であった(3.6±0.3vs9.6±0.3nM,p<0.05)。^<125>I-CF6結合はβ-subunit抗体とADPにより有意に抑制された。2)ATPase活性は、CF6 10^<-7>M投与により上昇し、SHRがWKYに比較して大であった(58.1±7.6vs34.6±8.4%,p<0.05)。3)細胞内pHはCF6 10^<-7>M投与により低下し、その低下はSHRがWKYに比較して大であった(0.26±0.03vs0.13±0.02,p<0.05)。CF6による細胞内pHの低下は、ATPase阻害薬efrapeptin10^<-5>Mの前投与により完全に抑制された。4)c-SrcはCF6 10^<-7>M投与によりtyrosine残基がリン酸化され、その反応はSHRがWKYに比較して2倍大であった。5)A7r5細胞にCF6 10^<-7>Mを添加すると、細胞内遊離Ca濃度の上昇が認められ、nifedipine投与により完全に抑制された。Angiotensin II(AngII)10^<-7>Mによる細胞内遊離Ca濃度の上昇はCF6 10^<-7>M前投与により増強され、その程度はSHRがWKYに比較して大であった(412±26vs162±14nM,p<0.05)。CF6によるCa influxとAngII依存性Ca濃度上昇の増強作用はc-Src阻害薬PP1の前投与により消失した。結論:CF6は血管平滑筋細胞の表面に存在するATP合成酵素のβ-subunitと結合し、ATPをADPに分解することにより、細胞内へのH^+ influxを亢進させた。CF6はc-Srcの活性化を介して、Ca influxとAngII依存性Ca濃度上昇の亢進作用を示した。これらの反応はSHRで亢進しており、CF6の高血圧への関与が示唆された。
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