2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規昇圧物質カップリングファクター6の網羅的機能解析と心血管病態形成機序の解明
Project/Area Number |
19590800
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
長内 智宏 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 准教授 (00169278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 謙 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20185549)
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Keywords | Coupling factor 6 / Vascular smooth muscle cells / SHR / WKY / Acidosis / c-Src / Calcium / Angiotensin II |
Research Abstract |
高血圧と糖尿病の病態形成におけるCoupling factor 6の意義 : CF6過剰発現マウスを用いた解析方法1) CF6過剰発現マウス(TG)の作製 : Human elongation factor 1 promoter、カルシトニンN末端(Metl-Arg84)、ならびにヒトCF6からなるDNA断片をC57/BLI2マウスembryoに導入し、CF6-TGマウスを作製した。導入遺伝子はほぼすべての組織で発現し、1.5-2.0倍の発現亢進が認められた。また、組織の酸性化を認めた2) TGマウスの血圧測定はtail-cuff法で行った。3) TGマウスの糖代謝 : 7週齢のCF6-TGマウスとWTマウスに20%高蔗糖食を8週間摂取させ、最終週に糖負荷試験を施行した。肝臓、骨格筋、脂肪組織の蛋白を抽出し、IRS-1、IRS-2並びにGLUT-4のWesteln blotを施行した。 結果1) CF6-TGマウスで軽度血圧の上昇が認められた。2) 糖負荷試験 : 空腹時血糖値はCF6-TGマウスがWTマウスより高く(133±10 vs 108±1mg/dl, p<0.05)、血中インスリン値もCF6-TGマウスがWTマウスより高値であった(698±87 vs 295±55pg/ml, p<0.05)。糖負荷による血糖値の上昇反応はCF6-TGマウスがWTマウスに比較して有意に大であった。組織IRS-1蛋白は骨格筋でCF6-TGマウスがWTマウスに比較して64±9%(p<0.05)減少していたが、肝臓と脂肪では差がなかった。組織IRS-2蛋白はCF6-TGマウスとWTマウスで差はなかった。骨格筋膜分画に存在するGLUT-4蛋白はCF6-TGマウスがWTマウスに比較して69±11%(p<0.05) 減少していた。結論 : CF6は組織の酸性化を介して高血圧と糖尿病の共通の発症原因分子となりうることが示唆された。
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Research Products
(4 results)