2008 Fiscal Year Annual Research Report
トランスクリプトーム解析と生体イメージングによる心不全に対する新しい治療法の開発
Project/Area Number |
19590802
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 雅晴 Tohoku University, 病院, 講師 (40375085)
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Keywords | 心不全 / 転写 / イメージング |
Research Abstract |
心不全は様々な原因によって引き起こされる複合的病態であり、高齢者社会の現在、その対応策が急務である。複合的要因の中から、より重要な病因を特定し、その病因特異的に治療を進めていくことができるならば、副作用を減少し、医療効率的にも優れると考えられる。本研究では、心不全の形成過程において要因特異的に関与する転写因子に着目し、それを同定、さらに活性を生体内で可視化することにより、病因特異的なアプローチを可能とすることを目標とした。 心不全の前段階として心肥大を形成する異なる2つのモデル(大動脈結紮による圧負荷モデル・アンジオテンシンII持続注入による液性因子負荷モデル)を用い、それぞれの病態に関与する遺伝子群をマイクロアレイにより同定した。さらに共発現している遺伝子群のプロモーター領域に存在する転写因子結合配列を同定した。同定されたいくつかの転写因子結合領域とルシフェラーゼ遺伝子とのキメラ配列から転写活性を観察するための発現ベクターを作成し、マウスの心臓に遺伝子発現させ、それをin vivo imaging system(Xenogen社)により心臓における転写活性を生体のまま観察した。上記手法を通じて、異なる心肥大モデルにおいて要因特異的な転写因子が活性化されていること、その評価を系時的に行えることを示した。さらに血圧や脈拍などの生理的なパラメーターを加味することにより、分子生物学的情報と生理的情報を統合して解析することを可能とした。
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