2007 Fiscal Year Annual Research Report
C型ナトリウム利尿ペプチドを用いた難治性心筋炎の診断・治療法の開発
Project/Area Number |
19590820
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
添木 武 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60393211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寒川 賢治 国立循環器病センター, 研究所, 所長 (00112417)
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Keywords | ナトリウム利尿ペプチド / 心筋炎 / 治療 / 診断 |
Research Abstract |
1)心筋炎における心臓CNPの病態生理学的意義の検討 Lewisラットにブタ心筋ミオシンを皮下注射し自己免疫性心筋炎モデルを作製した。すなわち、第0日に、ブタ心筋ミオシン3mg相当量をLewisラットの下肢に皮下注射し免疫化させ、第7日にも同様の操作を行い、計6mgのミオシンを投与した。定量PCR法により本モデルにおける心臓でのCNP並びにその受容体(NPR-B)の発現を調べたところ、コントロール群に比しCNPおよびNPR-BのmRNA発現量は増加傾向を示していた。 2)心筋炎に対するCNPの効果とメカニズムの解明 20匹のLewisラットを感作させ、浸透圧ミニポンプを用いて経静脈的にCNPを投与する群(CNP群、n=10)と、同様に5%糖液を投与する群(Vehicle群、n=10)の2群に分けた。ブタ心筋ミオシンに免疫化させることなくミニポンプの植込みのみを行う群(Sham群、n=10)を対照とした。心筋炎の2群はその後2週間0.1μg/kg/minのCNPまたは5%ブドウ糖液の持続静注を行った。そして、心エコー、心カテーテル、形態学的コラーゲン密度定量により評価した。心エコー検査では、CNP投与群において(対照群に対する)左室径の拡大並びに左室内径短縮率の減少が有意に抑制されていた。また、CNP投与により左室拡張末期圧の上昇が有意に抑制され(Vehicle群16.0±1.6vs CNP群11.3±0.8mmHg、p<0.05)、dP/dtは増加していた。一方、CNPによる血圧への影響は認められなかった。Sirius Red染色による病理組織学的検討では、対照群に比しVehicle群では左室コラーゲン密度が著明に増加していたが、CNP群はVehicle群に比べ左室コラーゲン密度が有意に減少していた。
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Research Products
(1 results)