2008 Fiscal Year Annual Research Report
炎症抑制シグナル蛋白A20及びPyrinによる気道炎症制御の試み
Project/Area Number |
19590908
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
山内 広平 Iwate Medical University, 医学部, 准教授 (20200579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 正人 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00325367)
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Keywords | ピリン / 気管支喘息 / 気道炎症 / 炎症抑制シグナル / IL-5 / 好酸球 / マウス喘息モデル |
Research Abstract |
本研究で炎症抑制に用いたピリンタンパク質は4つの主要なタンパク質ドメインから構成され、同様にピリンドメインを持つファミリータンパク質と相互作用し、炎症性サイトカインであるIL-1betaの産生を抑制し、さらにNF-kBの活性化を抑制し、炎症を終息させる働きを持つ。このピリン蛋白の中でヘリックス構造をなすピリンドメインは蛋白一蛋白の相互作用に関わる重要な部分である。そこでわれわれはピリンドメインの相互作用するプラットフォーム形成を抑制することで炎症を終息できないかと考え、細胞内導入ペプチドシークエンス(KKKKKKKKK)をアミノ末端に付加し、さらにカルボキシ末端にはHAタグシークエンスを付加したピリン蛋白由来のピリンドメインを大腸菌で作成した。この蛋白をNiカラム、ゲル濾過、陰イオン交換カラム、そしてエンドトキシンを除くためにポリミキシンカラムで精製し、マウス気管支喘息モデルを作成後、経鼻的に導入しその効果を検討した。結果:血清、BALF中の炎症性サイトカインを検討し、IL-5がピリンドメイン導入した群で有意に低下し、好酸球の減少も確認された。また組織の検討ではピリンドメインタンパク質は気道上皮細胞、気道上皮下の単核球にもその導入が確認された。これらの結果は経気道的投与により、吸入ステロイド薬に替わり選択的にNFκBを抑制しアレルギー性気道炎症を抑える治療薬の可能性を示した。
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