2007 Fiscal Year Annual Research Report
IgA腎症における糖鎖不全IgA1産生に対する黄色ブドウ球菌膜蛋白抗原の関与
Project/Area Number |
19590931
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
清水 芳男 Juntendo University, 医学部, 客員准教授 (50359577)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌膜蛋白抗原 / IgA腎症 / IgAヒンジ部0-結果型糖鎖 / メサンギウム細胞 |
Research Abstract |
(1)黄色ブドウ球菌膜蛋白抗原と培養メサンギウム細胞の直接的な反応性の検討。黄色ブドウ球菌膜蛋白抗原のリコンビナント蛋白を作製し、培養メサンギウム細胞と反応させたところ,適切な温度と反応時間で最大限の蛋白の細胞に対する接着が観察された。細胞接着は、メサンギウム細胞の培養条件によっても変化した。黄色ブドウ球菌膜蛋白抗原とメサンギウム細胞を共培養し、BrdUの細胞内取り込みによる細胞増殖に対する影響を検討したところ、極少量の共培養下ではメサンギウム細胞の増殖が充進する一方,ある程度の濃度を超えた状況ではメサンギウム細胞の増殖は減弱した。中和抗体によるブロッキングアッセイで、この反応は少なくともToll likeレセプター2・4を介していることが判明した。以上より、我々が同定した黄色ブドウ球菌膜蛋白抗原は、腎臓内のメサンギウム細胞と直接的に反応し、メサンギウム細胞の増殖に影響を与えることが示唆された(投稿準備中)。 (2)ヒト血清IgAのヒンジ部0-結合型糖鎖を解析する簡便なアッセイ系の開発IgA、IgMと特異的に結合するヒトFcα/μレセプター(hFcα/μR)をマウス培養細胞株Bw5147に強制発現させ、ヒト血清と反応させた。このトランスフェクタントは、血清中のIgAを結合させることが可能であることをフローサイトメトリーで確認した。IgAヒンジ部の0-結合型糖鎖と結合することが可能なレクチンの一種である蛍光標識したジャッカリンとIgAを結合したトランスフェクタントを反応させ、フローサイトメトリーで検出できることも確認した。今後、IgA腎症患者血清および尿中IgAの0-結合型糖鎖と健常者のIgAでの差異を検討し、臨床応用の可能性を検討する予定である。
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Research Products
(5 results)