2009 Fiscal Year Annual Research Report
IgA腎症における糖鎖不全IgA1産生に対する黄色ブドウ球菌膜蛋白抗原の関与
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19590931
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
清水 芳男 Juntendo University, 医学部, 准教授 (50359577)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌膜蛋白抗原 / Iga腎症 / Igaヒンジ部0-結合型糖鎖 / メサンギウム細胞 / フローサイトメトリー / 多量体IgA |
Research Abstract |
○ 患者血清中の多量体IgAのヒンジ部0結合型糖鎖を解析する系の開発と臨床応用に関する予傭実験 これまで、Fcα/μレセプター(Fcα/μR)を強制発現した培養細胞(トランスフェクタント)により、患者血清中のIgAを捕捉し、それらのIgAにおける0-結合型糖鎖を蛍光標識されたレクチンを用い、フローサイトメトリーにて解析する新規の系を開発した。これまでの他の解析法ではIgA腎症患者の腎糸球体に優位に沈着する多量体IgAを選択的に解析することは不可能であった。Fcα/μRの抗体結合ドメインは、多量体IgA、IgMの受容体であるpolymeric Immunoglobulinレセプター(poly-IgR)の同部位と相同性が高いため、多量体IgAを選択的に捕捉する可能性について検討した。 (結果)ヒト血清由来の単量体IgAと初乳から精製された多量体IgAのトランスフェクタントとの結合活性を検討したところ、単量体lgAは同細胞と結合せず、多量体IgAのみと強く結合した。マウスFcα/μR(mFcα/μR)およびヒトFcα/μR(hFcα/μR)トランスフェクタント間では、mFcα/μRトランスフェクタントの方が結合活性が高かった。共焦点レーザー顕微鏡による観察では、多量体IgAはトランスフェクタントの細胞表面に島状に集束して結合していた。安定性に乏しいjacalinに代え、Helix aspersaレクチンに変更したところ、良好な再現性が認められた。 IgA腎症と診断された患者(33名)および健常者(20名)に対し、上記解析法で、血清中の多量体IgAのヒンジ部0-結合型糖鎖の解析を行ったところ、不全型糖鎖に結合するHelix aspersaレクチンの蛍光強度がIgA腎症患者で有意に高かった。 (結論)我々の開発した方法は、血清中の多量体IgAにおける0結合型糖鎖などの性状を簡便に解析することが可能であると考えられる。
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Research Products
(14 results)