2008 Fiscal Year Annual Research Report
間欠的虚血ストレスをターゲットとした腎疾患治療薬の開発ー脂肪酸結合蛋白に注目して
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19590966
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
木村 健二郎 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 教授 (00161555)
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Keywords | 間欠的低酸素 / 腎臓 / 脂肪酸結合蛋白 / 循環器・高血圧 / バイオマーカー / 腎不全 / 睡眠時無呼吸 |
Research Abstract |
間欠的低酸素は、微小循環障害を進行させることにより腎疾患の悪化因子となることを明らかにする事を目的に本研究を行った。片腎を摘出したマウスおよび片腎を摘出した自然発症糖尿病マウス(Akitaマウス)を間欠的低酸素装置(10分おきに酸素濃度10%になるように設定)に1週間入れ、腎障害の程度を観察した。間欠的低酸素刺激を加えたマスウでは、刺激を加えなかったマウスに比べ、血糖や血圧が有意に上昇した。しかし、腎組織障害は発症しなかった。また、尿中L-FABPの増加や腎臓でのL-FABPの発現増加も認められなかった。次に進行性腎疾患モデルである水腎症モデルをマウスで作成し、検討を行った。水腎症モデルは、左尿管を2箇所で結紮し、その間を切断し作成された。モデル作成6時間後に間欠的低酸素装置に入れ、5日後に腎臓の障害を検討した。腎組織障害の程度は、間欠的低酸素刺激を加えたマウス病腎のほうが、刺激を加えなかったマウス病腎に比べ、有意ではないが、腎組織の線維化が進行している傾向にあった。この結果から、間欠的低酸素は、腎疾患の悪化因子となる可能性が示唆された。今後は、マウスの数を増やし、同様の検討を行い、さらに自然発症糖尿病マウスに長期間の間欠的低酸素刺激を加えた際の腎への影響を検討する。
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